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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
第百三十幕 「血を吐く人に限ってなかなか死なない法則」
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づける気だよ)
(しょうがないよシャルさん、だってこの人それで片付くタイプだもん)
「おい、まじめな話だからな?あとなんでシャルがナチュラルに会話に参加してるんだ……」
閑話休題
(
あーだこーだ
)
。
「――このおっさんは滅茶苦茶強い。多分俺や千冬さんを除けば日本最強かもしれん。例のくノ一が日本人なら話は変わるがな……ユウは俺との戦いに慣れすぎたし、夏休みの俺は学園の手伝いでかなり日本を離れることが増えるだろうからどっちにしろ満足に特訓をつけてやることはできん。なら……分かるな?」
「このおじいさんと戦って何かを掴め、と?」
「そこまでは知らん。何か掴めるかもしれないし、何も掴めないかもしれない。忘れたかユウ、お前はこれまで世界で一番優秀な
教官
(
オレ
)
の指導を受けてたんだぞ?そこまでやっても例のくノ一に追いつけなかったんだから、何も得られない可能性だってある」
「じゃ、このおじいさんのところに行って強くなって帰ってくるよ」
真剣な瞳で残酷な真実を述べたジョウの話を聞いたうえで、ユウは迷いなくジョウの提案を受け入れた。
「兄さんのカンは外れない。わざわざ名指しでこのおじいさんを選んだんなら、今一番強くなれる可能性が高いのはこの人の下だ」
「出来のいい弟がいて兄は幸せ者だよ。――あとお前のもとにくノ一が現れたら全力で俺を呼べ。基本的にお前の手助けはしないがその時だけは例外的に亜高速でお前のもとに舞い戻る」
(どんだけくノ一の人敵視してんのっ!?)
結局あの人は何だったんだろうという疑問は絶えないが、ユウは未だにあの人を完全に敵視できないでいる。逆にジョウは敵対心剥き出しで背中から覇気みたいなオーラを噴出しているが、ユウには予感があった。あのくノ一が自分の修行の邪魔はしないという予感が……。
ユウは夏休み開始と同時に修業道具を入れたカバンを抱えてマウンテンバイクに乗り、まるで全国行脚のごとく灼熱の炎天下の下で例の人を目指した。滝のような汗を流しながら山を越えて谷を越え、途中で様々な種類の変人とバトルを繰り広げながらもたどり着いたのが――現状である。
「チッ!!昨日より威力2倍速度三割増しで小突いてやったというのに儂の愛の拳を避けおって!!愛があるなら当たって頬骨と鼻骨くらい砕けんかいッ!!カァーーーッ!!」
「あなたの拳に愛はない。何故なら全部娘に捧げてるからです」
「勿体なくてなぁ!!お主のような余所者の男にやれるかぁぁぁッ!!!」
猛攻撃のフィニッシュは死神の鎌を連想させる殺人的な速度の回し蹴り。それを瞬時に察知したユウは動きを封じるように鷲の膝を蹴りぬく姿勢に入り――。
「と見せかけて太ももの筋肉断裂して悶え苦しめ軌道超変化キぃぃぃックッ!!」
直後、鷲の蹴りが凄ま
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