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、ルプスもただではやられない。少しずつしかダメージの通らない銃撃に耐えながら、身をかがめて突進してくる。

『ギャオオオオオッ!!』
「クッ!!」

 なんとか身を翻すが、カスってダメージを受ける。『クロムアーマー』の加護のおかげで大きなダメージには至らなかったが、直撃すれば体勢が崩れてやりにくくなるので過信は禁物だ。突進が命中せずに減速したルプスの姿を捉えたキリトは再びルプスに肉薄し、ライフルを振りかぶる。

「アサルトハンマーッ!!」

 再びアーツ発動。ハンマーのように振るわれたライフルの銃底が、ルプスの足を猛烈に殴りつけた。突進の直後で踏ん張りが利かなかったのか、これに足を取られたルプスは転倒する。

 このゲームで「転倒」は非常に強力な体勢異常だ。転倒させれば相手は暫く動けないし、弱点も突き放題。転倒状態の相手に対して威力が増加するアーツもあるし、狙ったタイミングで転倒させれば相手の大技を強制中断させることも出来る。
 当然、この千載一遇のチャンスをキリトが逃すはずもない。素早くルプスに銃口を向けたキリトは、更にアーツで畳みかけた。

「こいつでトドメだ!ファイアグレネードッ!!」

 ライフルに備え付けられていたグレネード発射機構から射出された弾丸は、動けないルプスに命中して大爆発を起こした。

 ややあって、キリトの視界の端に原生生物の討伐を完了したというメッセージが表示される。
 経験値とドロップアイテムを回収したキリトは、ポリゴン片となって消えていくルプスを通り過ぎて、やっと所定の場所へたどり着いた。

「さて、あとはここにデータプローブを設置したら今日は終わりでいいか……」

 腰に装着させていた近未来的なデバイスを弄ったキリトは『データプローブの設置』を選択する。その瞬間、フィールドに突如として大きな金属製の筒のようなものが出現した。6メートル近くあるだろうか、筒は地面に対して垂直に立つように三脚のようなパーツでがっちり固定されている。

 キリトが実行ボタンを押すと、筒の先端が開いて地面にビームが照射され、筒はゆっくりとビームの超高熱で溶かされた大地へ沈んでいく。
 この金属の筒はデータプローブといい、この大陸の周辺情報の調査、スキップトラベル(ワープ機能のようなもの)、更には設置したプレイヤーに地下資源の採掘という報酬を与える機能まである貴重なアイテムだ。これを設置することもプレイヤーの重要な任務の一つなのだが――設置を終えて気が緩んだキリトは、背後から来る地響きに一瞬だけ反応が遅れる。

「――?なんだこの地響き……原生生物の群れじゃないな。むしろもっとでかい敵が接近しているような………」

 首を傾げながら振り向いたキリトを待っていたのは――全長20メートルを越えようか
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