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ごめんよ涙
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第一章

                       ごめんよ涙
 夢だった。だから僕は今旅立つ。
 行く先はドイツ、遠いあの国に旅立つ。
 ドイツに行く目的はサッカーだった。僕は物心ついてからサッカーばかりしていた。
 高校で注目されてそして。何とドイツからスカウトが来た。
 その話を聞いてだった。僕は。
 最初はかなり戸惑った。しかしだった。
 どうしていいかわからなかった。まさかドイツからスカウトが来るなんて思わなかった。大学を受験しようと思っていた。スポーツ推薦でいけるのは間違いなかった。
 けれどそれでもだった。サッカーでも世界的に有名なドイツから話が来るなんて本当に夢にも思わなかった。それでだった。
 受けるべきか受けないべきか本気で悩んだ。そしてだった。
 彼女にも。何度も相談した。
 中学校の頃からの付き合いだった。子供同士の付き合いみたいな感じからはじまってだった。高校になっても交際を続けていた。
 その彼女に。僕は本当に何度も相談した。
 この日もだった。誰もいなくなった、白い砂浜で。僕達は話をした。
「ドイツだけれどね」
「まだ迷ってるの?」
「うん。それもプロチームね」
「凄い話よね。あのドイツのプロチームからって」
「本当に信じられないよ」
 砂浜を二人で歩いて話していく。もう秋になった砂浜で。
「僕なんかがさ。Jリーグの人でも滅多にない話なのに」
「だから余計によね」
「うん、どうしたらいいのかな」
 真剣に考え続けて。本当に悩んでいた。
 それでだった。横にいてくれている彼女に話した。
「ドイツに行くべきかな。けれどドイツに行ったら」
「ドイツに行ったら?」
「御別れだよね」
 彼女の。その可愛らしい顔を見て。僕は言った。
「君とも。それで」
「ドイツだからね」
「ドイツは遠いから」
 本当に遠い。まるで別の世界だった。
「そんなところに行ったらもう」
「会うどころか」
「御別れだから」
 そう思うと。ドイツに行きたい気持ちはあっても。
「行くことは」
「できないのね」
「行きたいよ、本当に」
 この気持ちは本当だった。切実だった。
「プロになるのは夢だし。それに」
「ドイツからのスカウトだから」
「凄い話だよ、信じられない位嬉しいよ」
 何度も夢だと思った。こんな話あるのかとさえ思った。
 けれどそれでも。ずっと一緒にいる彼女のことを思うと。家族のことも思ったけれどまず第一はこの娘のことだった。それはどうしても。
 躊躇、この言葉を思い出した。思い出さずにはいられなかった。
「それでも。本当に」
「迷うのね」
「ドイツ、行きたいよ」
 僕は心から行った。前を見て。
「けれど。そうしたら」
「ねえ」
 その僕に。彼女
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