暁 〜小説投稿サイト〜
新妹魔王の契約者〜龍剣使いの神皇帝〜
2巻
決戦日の昼と夜
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今夜の戦いから手を引いてほしい」

「それは無理な話だ、俺は勇者の一族出身ではなく神族で上位神。それを知ってる柚希なら分かる話題だろうに、それにもし『監視対象』から『消滅対象』に変わる事の意味も知っている」

「・・・・うん分かってる。一真が上位神で全てを創ったとされている創造神黒鐵だと言う事を、でも胡桃や高志は知らないし勇者の一族を敵に回したって一真達は成瀬を守護するって」

詰め寄るようにして告げてきて縋り付き、至近距離で見上げる瞳は真剣と言うより悲愴の色を濃くしていた。俺も迅も澪を守護する事は決定事項であり、敵が魔王や勇者であっても神族には敵わない事を柚希自身は知っている。今回偽りではあったが、追放ならまだしも勇者の一族を敵に回す事になると本来の道筋には書いてあった。悲しげな上目使いをしてくる柚希に告げる。

「俺は俺で役目があるし、一度決めた事は決して曲げない事が俺のポリシーだ。俺は魔族でもなければ勇者でもない、この世界を守る資格と使命何ぞ知るか。柚希と胡桃が敵となれば、俺と深雪は迷わずに攻撃し今回の決闘に勝利を捧げるだろう。それに斯波恭一が動いたとしても、俺らの考えは変わらない事だ」

「・・・・そう」

「っと、ちょいと渡したい物があるから待て」

「離して・・・・もう話す事はない」

ポツリと呟く柚希はそっとこちらから身を離し、踵を返して立ち去ろうとしていた柚希の手を掴む。悲しげな瞳を伏せていた事で、こちらの手を振り払おうとした柚希に内ポケットから一枚のカードを柚希の手の中に入れさせた。

「・・・・これは?」

「俺達の家に入る為の認証カードだ、ウチはセキュリティーがガチガチに固いがそれがあれば関所を通らなくともウチに入れる柚希専用カードだ」

「どうして・・・・」

「俺が里に居た時、まだ東城刃更としてだったが柚希はウチの合鍵を持っていたよな?」

「それはもう昔の話であり、今は私も一真も変わってしまった。それに今夜はもう・・・・」

「分かってるつもりだが、分身体の俺が言ってるんだ。昔のような当たり前みたいに、柚希が俺の家に入ってきたりしたからさ。確かに俺と柚希は変わってしまったと言うか、偽りの記憶を植え付けた事により本来の俺が入ってきた時から終わりにはしたくはない。今日と言う日が終わり明日が来ても、俺達は柚希が来る事を拒まない」

言いたい事を終えたら柚希は受け取り拒否するのかと思えば、カードをパスケースの中に入れてから無言で備品室を出て行く。振り返ってくれなかったが、俺はそれでも構わないし未来について変える事は出来るのは選択肢によってかもしれん。夜の九時になるまで俺ら各自に過ごしていたが、戦い前の夕食と言う事で朱音達が出てきて作ったお陰で体力・魔力・神の力も絶好調。


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