49.邪竜葬礼の誓い
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スト・ライアーを生み出してしまった原因の一人」として、自分に出来る事をせねばなるまい。
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ダンジョンの奥底から流れる空気が、異様なまでに重苦しい。これまで階層主などの凶悪な魔物が待ち構えている場所で幾度となく感じたことのある気配だが、この近くから感じるのはそれまでと比べ物にならないほど濃密だ。
ダンジョンを伝播する気配。オーネストの殺意と同じように、周囲の世界を塗りつぶし、侵食するかのような力を感じる。
「全員、『契約の鎖』は装備したな?」
オーネストの視線に、アズ以外の全員が腕に嵌められたアクセサリのような鎖を掲げて応える。特にリージュと後方待機組は3重の鎖を嵌めていた。そう、忘れられがちだがこれはアズが戦闘力に乏しい相手に送る護身用の鎖だ。鎖の持ち主の身を守るためだけに動き、常識離れした防御力を誇る自立武器でもある。
オーネストは、これを全員装着するよう義務付けた。鎖の持ち主であるアズ以外、普段は防具を嫌うオーネスト自信も言い出しっぺということで装備している。
「全員分必要なほど黒竜の攻撃って強いかねぇ?青銅の竜はそこまででもなかったけど……今回の鎖は割と容赦なしに強化した。それでも足りないか?」
「本来なら全員分あっても足りない。体のいい盾と考えず、避け損なった時にそいつで身が護れればラッキー程度に考えておけ。そいつは『お守り』だ。ないよりましなだけだ」
それでも生存の可能性が数パーセント埋められるのなら安い物なのかもしれない。
アズの鎖の性能を知らないリージュが、鎖を指でなぞりながらアズに問いかける。
「………アズライール。鎖の強度と防御力はどの程度だ?」
「ン………少なくとも撃破推奨レベル4,5クラスとタイマン張るならほぼ防御率100%だ。それ以上はあんまり試したことがないが、下手な盾よりは性能を保証する。自立行動する上に高速で動き、強度そのものも不壊属性一歩手前の大盤振る舞いだよ」
「そこまで反則級のアイテムを装備しても気休め止まりて……まぁ、確かにヤバイ相手だし、実際に戦ったオーネストが言うんだから本気でヤバイんだね」
非戦闘組のキャロラインがげんなりした表情でぼやく。現在の彼女の背中には、日常的に愛用する槍に加えてオーネストがあのパラディン・リザードから失敬した防御貫通槍も抱えられている。槍は使わないというオーネストが押し付けたのだ。
これもいざという時は役立つかもしれない。防御貫通というのははっきり言って魔剣に匹敵するほど強力な効果である。黒竜相手にキーアイテムとなりうる可能性はあった。
「黒竜は、以前戦った時より強くなっているだろう。俺はこれまで3度黒竜に挑んだが、挑むたびに奴の力は少しずつ増していたように思える。恐らくダンジョン内
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