2. 鎮守府に顔出してみてよ
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。
「父ちゃん……ごはん粒飛んでる飛んでる」
「ああすまん……」
「ほんとあなた……昔っから五歳児なんだから……」
「たわけがッ! ……それはさておき、俺思い出したんだよ。その鈴谷っての」
「?」
思い出した? なんだ会ったことあるんじゃん。事案発生。
「ちゃうわたわけがッ! いやあのな。爺様がな。死ぬ前の日の晩、パソコンいじってる最中に叫んでたんだよ」
「……ぁあー、そういえば叫んでた叫んでた」
「? 叫んでた? なんて?」
「えとな……」
――よっしゃぁああああ!! スズヤゲットぉお!!! ……たまらんのぉおおスズヤぁああ
……正直ね。あの人の孫であることが恥ずかしくなってきたよ僕は。
とはいえ爺様が何をしていたのかはちょっと気になる。夕食が終わった後、僕は元爺様現母ちゃんのパソコンを借りてネットでちょっと調べてみることにした。
以前に見た爺様のパソコンの中身から察するに、おそらくはその時艦これをプレイしていたのだろう。あのゲームは確か『艦娘』とかいう第二次大戦の頃の帝国海軍の軍艦を擬人化したキャラを集めるゲームだったはずだ。グーグル先生で確認してみよう。
「“艦これ すずや”……っと。べしっ」
この『べしっ』てのは僕のエンターキーを押す時の口癖だ。なんか言っちゃうんだよね調子がいい時とかさー。
で、出てきた検索結果を眺める。目を引くのはやっぱり画像検索の項目で、たくさんの水色の髪の人生を舐めた感じの女子高生っぽい子のイラストがたくさん出てきた。これはどう見ても、昼間に爺様の遺影を見て絶句していたあの鈴谷だ。
「……コスプレ系デンパか?」
頬杖をつき、タッチパッドを駆使してイラストを眺めていく。どうやらこの鈴谷ってキャラクターは、やっぱり人生を舐めた感じの女子高生みたいなキャラのようだ。女子高生っぽい感じの見た目と明るくてフレンドリーな性格のため、プレイヤーの間では同じクラスの明るい同級生みたいな感じで人気があるらしい。
「まんまじゃないか。徹底してキャラを演じてるのか?」
ともあれ悪い子には見えなかったし、あの鈴谷がうちに来る分には構わないとは思うけどね。
そうやっていろいろと調べ物をしているうちに、艦これにちょっと興味が湧いた。爺様のバックアップの中からD◯Mのログイン情報を見つけた僕は、そのIDとパスワードを使ってD◯Mにログインし、艦これをプレイしてみることにする。左手で麦茶飲みながら。
『か、ん、こ、れっ』
洲崎綾さんだっけ? この声優さんは好きな声優さんだ。
『いーことぉお? あかつきの水平線に、しょーりをきざむのよ?』
井口さんだっけ。随分と豪華な声優陣なんだなぁ……。
『鈴谷だよ! 賑
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