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罪作りなボイス
8部分:第八章

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第八章

「おい、やったな!」
「スクイズ成功したぞ!」
「御前のお陰だよ!」
「よくやってくれたよ!」
「ああ、何とかやれたよ」
 紘もだ。立ち上がってから腹の砂を自分の手で払いながらだ。彼等に応えた。
「スクイズ成功させたよ」
「本当にな、やったよ」
「よくあんなの成功させたよ」
「外されたのに当てるなんてな」
「あんなのそうそうできないぞ」
 こうだ。仲間達は満面の笑顔で彼に言う。練習試合とは思えない喜び様だ。
 そしてだ。観ている面々も驚きと喜びを隠せなかった。
 それでだ。こう言うのだった。
「凄いな、本当にな」
「よくやれたよ」
「幾ら何でもあれは無理だって思ったけれどな」
「やったな、あいつ」
「凄いことしやがったよ」
 こう口々に言うのだ。そしてだ。
 香菜もだ。笑顔でだ。こう言った。
「泉谷君やりましたね」
「ああ、多分あんたのお陰だよ」
「あんたがさ、あいつに声をかけたからな」
「あそこまでの力出せたんだよ」
 そのせいだとだ。彼女に話す。すると彼女は。
 清らかな笑顔になってだ。今度言った言葉は。
「だって私」
「私?」
「私っていうと?」
「泉谷君のこと好きですから」
 ここでだ。衝撃の告白だった。
「応援して当然じゃないですか」
「えっ、泉谷のこと好きだったの」
「そうだったの」
「あいつのこと好きだったんだ」
「あいつの片思いじゃなかったんだ」
 今の告白にはだ。誰もがだ。
 喜びから一転してだ。唖然となりだ。
 そうしてだ。香菜を囲んで尋ねるのだった。

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