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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第11章 フェザーンへ 前編 
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らが接触する人物についての情報を集めることであった。
我々が調べる目標は設定上では帝国軍工作員となっている。
その目標も中央情報局の局員で彼らにはあらかじめ訓練であることは通達済みである。
しかし、ストーキング対象の局員たちは昼食時には友人と飯を食うかもしれないし、公的な打ち合わせで帝国軍とは関係のない人たちと話しているのかもしれない。
そういった中での訓練であった。
作戦失敗は当然ストーキング対象に気づかれることである。
気づかれた場合は当然向こうは姿をくらませるかもしれないし、抑え込まれるかもしれなかった。
一つの訓練期間は3日間
それが終わるとAARと休息を兼ねた1日を置いてまた3日間が始まる
といった内容であった。
それに3回合格すれば次のステップへ行けたが、期間中に完了しえない場合にはそのままコースアウトで失格となる。
その場合は原隊復帰となる。

確かあれは7月の初めであった
私とニコルソン少尉はそれぞれ2回の失敗と2回の合格をもらってあと1回合格すればよいという状況であった。
そういうこともあり、次で必ず上がりにしようと思っていたので、ニコルソンと共同作戦を持ちかけた。
彼は二つ返事で承諾してくれた。

5回目の実地訓練
場所はハイネセンポリス中心街
対象はグレン・マックリーニ情報分析官
フェザーンへの駐在歴があり、オーディン潜入はすでに2回も達成している工作員である。
彼の宿泊しているホテルの反対側のアパートに陣取る
窓際には小型カメラが2台
洗面台からとリビングルームから対象を見張る。
万が一の場合に備えてMP-45軽機関銃とブラスターは常に手元に置いてある。
中には実弾ではなくゴム弾を装備してある。
というのも、前回の訓練で我々とは別の訓練生が工作員の通告を受けた警察特殊部隊に強襲されて負傷するという事故が発生した。
向こうも身に危険を感じれば当然本気でやってくるのは言うまでもなかった。

想定開始の00時00分
訓練総括官から無線で
「想定開始。幸運を祈る。」
という合図で想定は始まった。
私とニコルソンは2時間交代で対象を見張った
カーテンが閉まっていて見えないがグレン情報分析官はぐっすり寝ていることがサーマル付双眼鏡から観測できた。
監視開始からわずか5時間後のことであった
グレン情報分析官は起き上がり、部屋の奥に消えていった
当初監視していた私は何も気にしなかったが明らかに様子がおかしかったのだ。
部屋の中を行ったり来たり
考え事をしているようにも見えた
そして、トランクを開けてどうやらごそごそものを取り出すというよりは操作をしているように見えた。
交代時間になって起きてきたニコルソン少尉にいうと
「確かにおかしいですね
引き続き注意します。」
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