暁 〜小説投稿サイト〜
ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第11章 フェザーンへ 前編 
[8/16]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
た。
それは若さである。
当時彼は18歳であった。
私は当時書類上では22歳であった。実際は20歳だったが
宇宙歴792年より同盟軍は士官学校・予備役将校訓練課程・幹部養成所課程・技術士官養成課程の4種類からなる4種類の士官養成コースに新たにもう1つ士官養成コースを加えた。
それは、トラバース法における若年兵で兵士を士官候補生として養成するコースであった。
彼らは早くて16歳から志願兵として入隊できる。
軍はその彼ら専用の士官養成コースを作ることにしたのだ。
士官の戦死率が高まる中で苦渋の策ではあったがそこから士官を得られるならこれはまたとないチャンスであった。
そのコースは「少尉候補生訓練課程」
と命名された。
これはのちのイゼルローン革命軍第2代軍事指導者ユリアン・ミンツ中尉が通った訓練課程である。
ニコルソン少尉は少尉候補生訓練課程第2期生にあたる。
彼の父親は第5次イゼルローン要塞攻略戦で、母親は第1艦隊に所属していたが不慮の事故で亡くなった。
その後同じく軍人であった叔母のもとに引き取られていたが16歳の時に陸戦専科学校を受験。首席で合格し、推薦で少尉候補生訓練課程に入った。
そして、若干18歳で少尉に任官した。
しかし、彼らは18歳で少尉に任官するとはいえ実戦の場では大半が使い物にならなかった。そういったこともあり彼らの大半は後方支援部隊勤務になったりしていた。
ニコルソン少尉もその例外ではなかった。
1期生の少尉任官後から使い物にならないことは分かっていたので彼は第2艦隊後方支援集団配属になっていた。
彼の父は第2艦隊第12特別陸戦隊所属であったのでニコルソン少尉は当然戦闘部隊を熱望した。
それを第2艦隊後方支援集団司令官アレックス・キャゼルヌ准将に直訴して無理やり父親と同じ第12特別陸戦隊にねじ込んでもらった。
その後、第12特別陸戦隊の中で空挺降下資格を取り、最優秀士官賞を取るなどの目覚ましい活躍を認められイゼルローン方面総軍の第9方面軍の中でも精鋭で名高い第189空挺連隊戦闘団所属となって今に至っていた。

前半2週間の教習課程はほぼ一瞬で修了した。
6月の終わりごろから実技課程ははじまった
当初予測していた戦闘訓練とはまったく異なりそれは市街地で行われた。
まず最初に行われたのはストーキング戦術の実践。
ハイネセンポリス中心街で中央情報局の局員をストーキングする。
ストーキングされている職員は何も知らない。
彼らはただただ統合作戦本部に出張ということになっていることしか知らない。
しかし、彼ら全員が特殊工作員資格をもち、数名は実際に帝国首都オーディンで任務に就いていた凄腕集団である。
作戦目標達成は彼らに気づかれないように行動を監視し、彼らの私的・公的通話を傍受し、最終的に彼
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ