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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第11章 フェザーンへ 前編 
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ルローン攻略戦ののち特殊作戦コマンド司令部の中でも最精鋭である第1特殊作戦コマンドを自主引退し、その後リン・パオ特殊作戦学校教官勤務となったが軽度のPTSDと診断され現役を退いた。
彼女の生まれ故郷であるハイネセン南部大陸のマルセイユに帰ってゆっくり暮らそうと考えていたらしいが、中央情報局がスカウトしにきた。
当初は当然断ろうと思っていたが、断りきれずに成り行きでなってしまったそうだ。
しかし、PTSDがあったため治療完了までは現役復帰は見込めず銃の携帯も許されていない。
中央情報局としては彼女をそのまま中央情報局職員としておきたいらしいが彼女としてはこのまま3年間予備役を続けて退役するか、PTSD完治ののちに現役復帰したいそうだ。

宇宙歴793年後期情報戦士官特修課程に入る学生は合計9名
それに対して教官陣はレナ予備役中佐以下15名もいた。
というのも、この課程では特殊工作情報士官として必要な事項をすべて習得することを目標としているため、科目数が多いのだ。
そうなると必然とこうなってしまう
課程は8週間
約2か月といったところだった。
8週間のうち前半の2週間は教習課程で後半6週間は実技課程となっている。
そこで習うのはヒューミントを基本とした情報収集活動、破壊工作を基本とした特殊工作活動など合計17科目にも及んだ
その中に今でも不思議な科目があった
それは「対人コミュニケーション戦術」の中にあった「スリ」戦術講座である。
ここでは、「スリ」のプロいわゆるスリ等の軽犯罪で捕まっている人たちでも特にぬきんでた逮捕者を連れてきて講習が行われた。
彼らの技を見たとき、開いた口がふさがらなかった。
彼らは、対象物が持たれていようがポケットに物が入っていようが一瞬で奪っていく。
この課程ではそういった変わったものではほかに、「口説き」・「マスクを使った変装」・「マジック」といったものが存在した。
しかし、私としても周りにいた学生にしても何よりも楽しみだったのは「破壊工作戦術論」であっただろう。
これは、銃・ナイフ・吹き矢・毒薬を用いた暗殺方法、数Kgの爆薬で効率的にビルを崩壊させる方法、通信妨害装置による妨害戦術、通信傍受戦術、サイバー戦術など多岐に及ぶ破壊工作戦術が教えられた。
前半の4週間は見るもの聞くものすべてが新鮮で興味深く士官学校の戦術講義が消しカスくらいにしか思えないくらい面白かった。
私の周りにいた士官は全員が陸戦士官だった。
中でもマークス・ニコルソン少尉とはよきライバルであり、よき友人となった。
彼は第9方面軍第189空挺連隊戦闘団から来た陸戦士官だった。
目立った戦功もないためか周囲の特殊部隊、空挺部隊、艦隊特別陸戦隊の猛者たちとは略綬の数も見劣りするが彼には誰にも負けないアドバンテージがあっ
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