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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第11章 フェザーンへ 前編 
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は逆襲を警戒し、いつ眠って、飯を食ったなんか記憶になかった。
自分の指揮で1個中隊分の命が左右されると思うと、自分のことより全体のことのほうが優先になるのはある意味で当然であった。


ハイネセンポリスのはずれにあるアルジェはもともとは何にもない農業都市であった。
同盟軍創設と同時に中央情報局が設立され初代中央情報局局長ビル・マスカーニ少将が統合作戦本部と仲が悪かったというだけで、郊外に本部を置くこととなり、マスカーニ少将の生まれ故郷であるアルジェに本部を置こうというふざけた理由でアルジェに本部があるというのは本当である。
しかし、本部をアルジェに置くことで巨大な通信設備や傍受設備を本部近辺に設置することが可能となっていた。
しかも、同じアルジェ市には首都防衛軍司令部とその指揮下にある第72空挺師団、第108空挺師団、そして第444装甲空挺師団の駐屯地とこれらを基幹部隊として構成される第19空挺集団司令部もある。
まあ、そういう都市であったので自然と警備はきつくなる。
アルジェ市の住居者は100%軍人または軍属であった。
この市に入るためには3回も検問を突破しなくてはいけない
そんなめんどくさいところに中央情報局はあった。
宇宙歴793年当時の中央情報局局長はマンデラ・グレゴリー中将
士官学校卒業後から情報士官としてフェザーンや帝国に派遣された経験を持つ生粋の情報士官であった。
それにもかかわらず、大尉の時統合作戦本部作戦課勤務、少佐の時第3艦隊人事参謀・第9方面軍司令部作戦課長代理、大佐の時第10艦隊第134駆逐群司令、准将の時第9艦隊参謀長、と艦隊・統合作戦本部勤務経歴を持つつわものでもあった。

中央情報局本部
IDカードをかざして第108空挺師団の部隊章をつけた警備兵が両サイドに立っていた。
私は敬礼すると向こうはさらにきれいな敬礼を返してきて、すぐ後にはまた元通りに戻った。
エントランスは無機質なで真っ白な空間で、待ち合い用のソファーとテーブルそして、受付がある以外何もなかった
ふと、右を見るといくつもの星が規則正しく並んでいるのが見られた。
その両サイドには中央情報局旗と同盟軍旗が掲げられていた。
私がそれを見ていると、横から
「彼らは同盟軍と中央情報局の秘密作戦で戦死した兵士・職員よ。」
と女性の声が聞こえた。
ふと振り返ると、スーツをきっちりと着こなした女性職員が立っていた。
私は彼女の顔を見るとはっとした。
それはレナ・アボット少佐であった。
思わず、敬礼をする
すると少佐は苦笑して
「よしてよね。
今は予備役中佐よ。」
と言いながらもいつも通りのきれいな敬礼を返してきた。
レナ・アボット少佐、いや、予備役中佐は当時中央情報局特殊作戦課教育班主任であった。
彼女は第5次イゼ
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