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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第11章 フェザーンへ 前編 
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誰が思っただろう
その大男は胸部に2発くらったが私はその2発が当たった時に人体に当たった時と違う感覚を得た
向こうは防弾チョッキを着ていたのだ
私は瞬時にさらに1発を敵の足に向かって放った
ほんの3秒くらいのことであったが、残りの2人はすでに攻撃態勢を整えまさに銃を撃たんばかりであった
私が右側通路の柱に隠れた時にはすでに何発も実弾が飛翔してきた
向こうは3人こっちは1人
明らかに不利だった
私はニコルソン少尉に言ってスプリンクラーをその通路だけに作動させた
スプリンクラーはけたたましい警報音を上げ作動し始めた
やつらの注意を引くのにはそれで十分だった
私はすぐさまPPK-22をマガジンがなくなるまでやつらに向けてうち、マガジン交換を行って接近した
我ながら感心するくらいうまく頭部、頸部に弾丸が直撃していた
私はすぐさまやつらの死体をひっくり返して情報収集を行ったが身分証と現金があっただけで他にはなんもなかった
それでもとりあえず回収して、遺体袋を開けた
1人はマシュー・エベンス少尉
もう一人はマリン・シュトレーゼマン中尉であった
いずれも
彼らはすでに死んでいた
どうやら銃撃戦の最中にこっちに飛んでこなかった銃声は彼らに向けられたものらしい
私はすぐにその場を離れた
誰かが見つけるのは時間の問題であり、長居する必要はなかった
グレン情報分析官はそのまま極左政党の政治家と話しただけであったがその話した内容は十分にスパイ容疑を裏付けるものであったので私はすぐに引き返した
それから午前4時までかかってニコルソン少尉とグレン情報分析官の会話内容を解析し私たちは驚くべき内容を発見してしまったのだ
暗号文自体は口語ではなく帝国の文語表記であったもののそこまで難解なものではなかった。
しかし、会話中の成立しない3割近い会話の解読に手間取った
それを解読するのに中央情報局の1世紀も前の暗号表や奪取された帝国軍暗号表を参考にしたところなんと中央情報局設立当初の暗号表を用いていたことが判明した
これを用いて解読すると内容はまあ、とんでもないことだった
それは民衆暴動を要した政権奪取であった
その次の日には左翼団体による戦争反対デモが予定されていた
ここで警備する警官隊や憲兵隊の内通者が発砲し、あたかも政府命令で発砲したようにし、民衆暴動をあおって合わせて各地での反政府団体・民兵組織による暴動を発生させようというものであった
グレン情報分析官と話していた極左政党の大物政治家はいわゆる無政府主義者であった
また、グレン情報分析官自身もハイネセン国立大学法学部出身のエリートであるが、同じく無政府主義に傾倒していた時期があった。その後はその集団から離脱したと判断されて中央情報局に採用されていたのに である
この暴動によ
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