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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第11章 フェザーンへ 前編 
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っていた
私ははっとして、それを観察した。
その時点でタイムリミットまで3分
メモ帳を広げて内容を書きまくった
そして、時計がタイムリミットを告げるまでに書類はすべて移し終わった
こういった速記術も教習課程で習う
私は予定を2分近く早く切り上げ撤収した。
監視アパートに帰るなり印刷機でさっきの速記を書き直してプリントアウトする。
そして、その特殊インクで書かれた言語は帝国語であった
内容は支離滅裂な単語が乱立し、スペル間違えも3単語に1つ近くあった。
私は当初意味が分からなかったので、何度も何度も読み直すと思いっきり頭をぶんなぐられたような衝撃に襲われた
そう、スペルミス
これであった
このスペルミスはただのミスではなくきわめて人為的に間違えられたものだった
ベテラン情報分析官であったら一瞬で見抜けただろうが、私はこれを見抜くのにかなりの時間と、翻訳にかなりの時間を割いた
そして、その内容は宇宙歴792年のことにさかのぼる

宇宙歴792年 2月5日
アルレスハイム星域会戦
帝国軍はカイザーリング中将指揮下の部隊がいきなり暴発したため同盟軍に悟られ、6割以上の損害を払って撤退した
その真相であった
なぜ、帝国軍はいきなり暴発したのか
それである
その真相を同盟軍はつかんでいたのだ
帝国軍敗退後同盟軍は掃討作戦を展開していた
その過程で拿捕した戦艦に真相はあった
その戦艦の艦内にはサイオキシン麻薬が気化して充満しており、乗組員は艦長以下阿呆状態になっていた
同盟軍はただちにほかの拿捕船舶を調べ上げたところその実に3割の艦艇特に補給艦艇・戦艦などの大型艦艇に麻薬が搭載されていた
当然同盟軍はそれを押収したが、数tが行方不明になってしまっていた
それは私が速記した暗号文によれば、それは中央情報局の「アエルゴ」と呼ばれる組織がその数tの麻薬をもとに生成・販売を牛耳って帝国・フェザーンとの密貿易がおこなわれているとのことであった
さらにそこには前年度の利益が記入されておりその額はどこかの地方自治星系区予算並みの金額であった
その儲けはすべてフェザーン系の貿易会社と思われる口座へ分散入金されており、目立たないようにされていたことも書かれていた
そして、2段目には同盟軍技術研究開発本部における長距離レーザー砲の開発についての詳細が書かれており、その射程距離・威力などの詳細が記入されていた
2枚とも共通性のない内容であったが、これが示すのは明白であった
スパイ行為と麻薬売買を通じた帝国への資金援助である
ニコルソン少尉が返ってくるなりその内容を伝え、我々だけでグレン情報分析官を取り押さえる必要があるという結論に達した
当然中央情報局上層部へ申告の必要ありとは思ったものの、事後報告でないと内通者がグレン情
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