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ウルゼロ魔外伝 超古代戦士の転生者と三国の恋姫たち
少年の日常、崩れ去るの事
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ともしばしばだ。
ただ、この店には知り合いの女性がよく顔を出しに来てくれるのだ。
「あら、ルーク。今日も来てくれたの?」
ルークの元に、注文を聞きに一人の女性店員がやってくる。碧の給仕服を着込み、ショートカットに切ってある美しい黒髪をした女性だった。外見でもまだ20代にしか見えないが、彼女はすでに30後半だった。
「なぁ、ジェシカさん。シエスタおばさんは今日来てねぇの?」
ルークはジェシカに尋ねる。
「シエスタ?しばらくタルブ村での仕事で来れないって言ってたわ」
「んだよ…通りでしばらく見ないって思ったら…」
どうやらルークはそのシエスタという女性に、近所の優しいおばさんのような感じで、好感を持っているようだ。でもいないのなら、仕方ない。
「適当にドリンクでも飲んで後は街で時間を潰そうとすっか。ゲーセンもあるし」
ゲームセンターも地球の文化を取り入れ始めてから設置されるようになり、ルークもよく立ち寄るようになった。長時間立ち寄りすぎて帰りが遅くなって、お叱りの台詞が帰ってきた途端に飛んでくるが。
「……」
そんな彼の傍らの座席に、一人の男が現れ、座席に座った。その男の姿に、ふとルークは視線を寄せる。
(な、なんだこの人の迫力……)
短い髪に黒いコートを羽織ったその姿からは、見た目の若さ以上の年季と幾多の修羅場を潜り抜けた戦士としての風格が漂っていた。思わずルークはゴクッと唾を飲み込む。
「いらっしゃいませ!ご注文は何にいたしますか?」
新しいその客に、ジェシカは注文を尋ねる。
「あぁ…ワインをくれ」
「ワインですね?かしこまりました!」
彼女はオーダーを聞いて厨房に向かうと、すぐに注文どおりのワインを持って彼の元に戻ってきた。
「何かお悩みですか〜?」
「…そのわざとらしい口調はなんだ。ジェシカ」
男はその色気を漂わせた口調を言い放つジェシカに、全く媚びることもなく冷静さを保ったまま、呆れた様子でその女性に言い返す。そのクールな態度の彼にやりがいがないな、と女性もまた彼に対して呆れた。
「んもう、相変わらず無愛想なこと」
「その人…知り合い?」
何かと威圧感を漂わせる其の男に、妙に親しげに会話するジェシカにルークは尋ねてきた。
「誰だと思う?」
それに対し、ジェシカは少し悪戯っぽい漢字で、質問に質問で返す。
「もしかして…彼氏さん?」
「違う」
それとも旦那?とルークが追加する其の前に、男は真っ向から、それも冷静に否定した。
「そんな風に冷たく返されると、流石に傷つくわよ?」
「冗談でその小僧の質問を肯定したら、浮気者扱いは免れないからな。俺はグラモンと違って一途だからな」
あまりに冷たく感じ取れる返しにジェシカは言うが、ここにいない誰かの事を詫びれなく貶しつつ、自分のハートが強固なものである
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