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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン50 鉄砲水と天王星の主
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も、最初に見たときには目を疑った」
「ふんふん」

 いよいよ話の核心に達したことを察して、大人しく相槌を打つだけにとどめる。視界の端に、もはやだいぶ小さくなってしまった十代達がなんとか識別できた。

「……ここから見える星の配置が、地球から見えるそれと酷似している。といったら、どう思う?」
「…………え?」

 たっぷり10秒ほど何も言えない時間が経った後、どうにか口から出てきたのは我ながら間抜けな一言だった。ここの星座が地球とそっくりだってことは、つまりここは―――――

「地球?」
「いや、それはない。俺も最初は驚いたが、ほんの少し角度にずれがある。なあ清明、お前はどう思う?ここから見える星の位置は、太陽系第7惑星……天王星から見る景色と計算上完全に一致するんだ」

 天王星。話にだけは聞いたことがあるけれど、わざわざ目で確認した人間は少ないだろう。僕も見たことない。あまりの話に一瞬言葉を失うが、すぐに三沢の説にはいくつかおかしな点があることに気がついた。

「ちょっと待ってよ、天王星に空気が無いことぐらい僕だって知ってるよ。それに第一、あの3つの太陽はなんなのさ。ココが太陽系なら、ちょっと2つぐらい多いんじゃないの?」
「お前の言いたいことはよくわかる……だが、それに対しても一応の反論はある。俺が光の結社にいたころの話だからうろ覚えと又聞きでしか知らないが、十代はあの新HEROのネオスと(ネオスペーシアン)を宇宙、それも木星の衛星イオで見つけたらしいじゃないか。実はその話を聞いた時から、俺は1つの仮説を立てていてな」
「仮説?」
「ああ。精霊世界が実在すること自体は、俺がここに飛ばされる前からツバイン博士もほぼ確信していた。そしてこれまでにも何度かあった人間と精霊との邂逅記録……そういったものを分析した結果、精霊の世界と俺たちが普段住んでいる世界は表裏一体、とまではいかないまでもかなり近い存在である、という結論に達したのさ。木星の衛星の中に、空気があって知的生命体が確認できる星はない。だが、もしその中の星の1つに、そこから精霊世界に入り込めば十代のたどり着いた『精霊世界のイオ』にたどり着ける場所があるとしたら?星の配置などはそのままに、精霊が暮らしているかそうでないかという1点のみに違いがある精霊世界の宇宙が広がっているとしたら?いや、それだけじゃない。俺たちの説によれば次元……そう俺たちは呼称しているが、それは全部で10以上あるはずだ」
「またスケールの大きな……」

 そう言いながら僕の脳裏にもあの十代の不思議なカードたちと、それともう1つ思い浮かぶことがあった。僕の手元にあるグレイドルカードも、元はといえば宇宙のどこかからふらりと地球に不時着したカードだったはずだ。あの時スライム達がやって来たのも、
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