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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン50 鉄砲水と天王星の主
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r URANUS……」

 一体ウラヌスは、いかなる思いで僕に文字通り自身の分身であるこのカードを託したのだろう。自分の命を奪う一因となった『奴』に無念の復讐を託したのか、何か自分の命のあかしを世界に残したかったのか、自分を倒した相手である僕に対しての敬意の表れのつもりだろうか。いずれにせよ、それがどんな思いであれ。

「僕も地縛神の使い手、地縛神官の端くれさ。その思いは確かに受け取った、The despair URANUSは決して消えさったわけじゃない。僕とこのカードの中で、生き続ける」

 その言葉を聞くと、満足そうにそっと目を閉じる。吹き抜けた一陣の風が足元の砂を巻き上げ、目に入った砂をぬぐった時にはもうウラヌスの巨体は跡形もなくなっていた。だけど今のデュエルが夢じゃない証拠に、僕の手元にはウラヌスのカードが残されている。

『そのカード、本人の魂の一部が宿っているな。厳密にマスターの目の前にいるのと同じ個体ではないだろうが、何かの拍子に精霊として覚醒することも十分ありうる』
「そうなの?」

 いつか、このカードからも精霊が出てきてくれるのかもしれないのか。だとしたら、それはちょっと嬉しいな。
 だけど、今はそのことをいつまでも考えている暇はない。一刻も早く十代達と連絡を取らないと、どう考えたってこのままで終わるはずがない。まだ少しだるい体にムチ打って、校舎に向かって歩き出した。
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