ターン50 鉄砲水と天王星の主
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、現実にそんな可能性はあり得ないだろうから現実的じゃない。かと言って半端にモンスターを出したところで、ジャンク・アタックの餌食になるだけだ。
八方ふさがりか、と思ったところで、まだドローしてから見ていなかったカードの存在を思い出す。……そうだ、まだ僕にも希望は残っている。このカードが、正真正銘最後の賭けだ。
「魔法カード、手札抹殺を発動。たがいに手札を全部捨てて、その枚数ぶんだけカードを新しくドローする!」
僕の手札は、手札抹殺を除くとたった1枚。つまり、ドローできるのもたったの1枚。この1枚が最後の記望、これに全てがかかってる。このピリピリする緊張感、実はあんがい嫌いじゃない。一度深呼吸して気持ちを整え、スッとデッキトップに手を乗せる。
「はああああっっ!」
気合一閃、たった1枚のカードを引きぬく。感じる、僕のデッキから伝わってくる鼓動を。そうだ、これだ。このカードなら……!
「僕はこのターン、このカードを召喚する!天をも焦がす神秘の炎よ、七つの海に栄光を!時械神メタイオン、降臨!」
瞬間、炎が踊る。時械神の名を冠する、僕のチャクチャルさんと並ぶもう1つの神。メタイオン先生が降臨したのだ。
時械神メタイオン 攻0
「ウラヌスに攻撃、ケテルの大火!」
時械神メタイオン 攻0→The despair URANUS 攻3500
「メタイオン先生によるバトルではダメージが発生せず、このカードは戦闘で破壊されない……だけどその効果発動、時械神がバトルを行ったことにより世界のモンスターは全て創生される!自分以外の全モンスターをバウンスし、その数1体につき300ポイントのダメージ発生!」
安全地帯と言えども、対象を取らないバウンス効果までは防ぎきれない。そしてその炎はモンスターをリセットするのみならず、相手プレイヤーを焼く力がある。
ウラヌス LP100→0
「っしゃあっ!」
ウラヌス、さすがに御大層な名前してるだけあってかなりの強敵だった。そして、腕のデスベルトがまた光を放つ。デュエルで足止めをした時点でこうなることはわかってたけど、だからといってこれはどうしようもない。ぜいぜいと荒い息を吐いて地面に座り込んでいると、上空のウラヌス本体もまた支えを失ったかのようにゆっくりと落ちていくのが見えた。ズン、という腹に響く低い音がして、その巨体が落下の勢いで半分ほど柔らかい砂に埋まる。あの様子を見る限り、やはりデュエルで負ける=死に繋がるというのは天王星の名を冠するあのモンスターであっても例外ではないようだ。
『もう害を及ぼすことはない。せめて最期を看取ってやったらどうだ、マスター』
チャクチャルさんの厳かな口調に後押しされ、疲労の余り痛む全身
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