暁 〜小説投稿サイト〜
Everlasting oathーブラッド・オンラインー
命を踏み台にして進む
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ている人も多いが、此処、《トールバーナ》に残っている人もかなりいる。皆死にかけた顔をしているが。

「気付いてるなら戦えばいいのに……ちょっち鍛冶屋よるわ」
「うん、分かったよ」

 確かにこの層の安全区にいれば安全だ。

 だが、現実の体はどうなっているのだろうか、現実の体は何も食べていない為、いつかは死に至る。

 戦っても死ぬかもしれないし、戦わなくても死に至る。このソードアート・オンラインをクリアするまではずっと。

 座り込んでいても意味はないのに、誰かがやってくれるなどという考えで他人に押し付けて自分は安全な所で待機している。そんな奴らを見るだけでストレスが溜まっていく。

「ほらよ、ユウキ」

 ユウキを呼び止め、手に持っている物を頭に乗せる。

「これどうしたの?」
「さっき狩ったルーウルフの毛皮で作ってもらったコートだよ。ボス戦は防御力を少しでも高めとけ。」

 ほんの僅かな防御力上昇でも甘く見ると痛い目に合うよほんと。僅かな防御力が一撃の致命的攻撃をギリギリ二撃に抑えてくれるかもしれんし。

 大勢のプレイヤーがいる中には『戦いはしないけど貢献をしよう』といった考えのプレイヤーもいる。

 そんな人達のお陰で二人は常に強い装備の状態で戦場へと向かう事が出来た。勿論、そういった人達には感謝をしているし、時々だが御世話になっている鍛冶屋の人などに素材を無償で提供している。

「ケイスケはコートないの?」
「俺は攻撃を根性で避けるから別にいいよ」
「凄いね………」
「根性があれば何でも出来る」
「何でもは無理でしょ」

 実際、『根性』では無く、βテスト時の経験を活かし、相手の行動を理解して攻撃を避けている。ユウキにレクチャーする時に負ったダメージを除くのなら俺はまだ無傷だ。




「はーい!皆集まってくれてありがとう、俺はディアベル。職業は気持ち的に騎士(ナイト)やってます!」

 ジョブシステム等は存在しないのに自称『ナイト』を名乗る男。彼の冗談に周りからは笑いが溢れてきた。

 攻略会議の為にあらゆる人材を掻き集めた張本人、《ディアベル》。ケイスケとユウキもこの男に声をかけられて参加していた。

 そして、自分はこの男を知っている。もしかすると違う男かもしれない。名前だけならβテストの時に確認している。

 βテスターの時は第1層のボスに何度も挑戦しては倒されている男。その分第1層の攻略には詳しいと解釈でき、ボスの行動パターンに関しては俺よりも詳しいかもしれない。

「昨日俺のパーティが塔の最上階でボスの部屋を発見した。」

『マジかよ』、『やっと見つけたのか』、『無事に帰ってこられて何よりだ』、などの声が上がる。

 自分からしたら
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