暁 〜小説投稿サイト〜
Everlasting oathーブラッド・オンラインー
命を踏み台にして進む
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にとってもヤバいのではないのか。一時的な問題だとしても仮想世界という檻に大勢の生きている人間を閉じ込めているのだ。
身内がLANケーブルを抜いてくれればすぐに現実へと戻れるが、一人暮らしの人がいたとすれば相当ヤバい。
ついさっき起こった問題ならば運営から通知が来る筈が、通知の気配は全く無い。既にパニック状態になっている人も少なくは無いだろう。
次の朝に
拝
(
おが
)
める報道はソードアート・オンラインの記事で一杯になる気がする。
「業者も焦ってるだろうな」
「なんで焦るの?」
「考えろ」
「ボク達は今、抜け出せないんでしょ?」
存外、ちゃんと状況を理解していたようだ。
「なんだ、分かって………────鐘?」
「聞こえるね」
夕陽が俺達を照らす中、始まりの街方面から鐘の音が聞こえてくる。時間は5時丁度。
可笑しい───鐘を鳴らしてどうしようと言うのだろうか。βテストをしていた時は12時や6時、もしくは0時に鐘を鳴らすのが普通だった。
「な、なんだっ!?」
「わわわっ!」
ユウキは咄嗟に俺の身体に抱き掴まる。
「抱き着くな離れろ!」
「そんな事言ってる場合じゃ無いよ!」
身体が光に包まれ、何処かへと飛ばされる。光が消えると草原ではない違う場所に転移していた。
「始まりの街?」
「ねぇ、これは一体どうなってるの?」
「分かるわけないだろ」
飛ばされた先は鐘がなっていた始まりの街で、何故か大勢のプレイヤーが集められていた。
俺達と同じようで突然転移させられたようなのだが、やけに空が紅い。不安を
煽
(
あお
)
ってくるような空気。
此処
(
ここ
)
にいるプレイヤーは全員ログアウトが出来ないという事態に気付いているみたいだ。
えぇ……
時間が経つと無数の『Warning!』の文字が紅い空一帯に張り巡らされていく。
気味が悪い文字だらけの空を見てプレイヤー達は、なんかのパフォーマンスか?、なんだなんだなどと
野次
(
やじ
)
を飛ばす。
やがて文字からドロドロの血液のようなモノが溢れ出し、血液のようなモノはローブに身を包んだ男になっていく。
「プレイヤーの諸君、私のゲームへようこそ私は茅場晶彦。既に殆どのプレイヤーは気付いていると思うが──メニューからログアウトが消滅していると思われる。これは不具合などではない。ソードアート・オンライン本来の仕様である」
周りが騒めき出す。ログアウトが無い、意味するのは現実にも戻れないということ───つまり、人間を仮想世界に『監禁』するということではないのか?プレイヤー達の間で疑問が生まれる。
『茅場晶彦』を名乗る男は現状を語る。自分はこのゲームの世界を操れる唯一の人物。
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