暁 〜小説投稿サイト〜
非日常なスクールライフ〜ようこそ魔術部へ〜
第19話『会得』
[2/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
・・・?







「ほら起きろー!」

「「「うがぁ!!?」」」


早朝から幾つもの叫び声が部屋に響く。
それは、部長の『ビリビリ目覚まし』によって引き起こされたものだ。

俺もその被害に遭い、少々髪の毛が逆立った状態のまま勢い良く目覚めた。


「ちょっ、何事ですか!?」


あまりの衝撃だったし、わざわざ能力(アビリティ)を使って起こしたということは、何か起こったのだろうか。俺は直感的にそう思った。


「え? いや、ただ起こそうと・・・」


…だがどうやら深い意味はなく、本当にただの目覚まし時計代わりだったようだ。だったら普通に揺らすなりして起こして下さいよ。

俺はふと部屋の壁に掛かっている時計を見た。


時計『5時30分』


時計は正直にそう示していた。
部長、さすがに早過ぎる…。まぁでも、昨日の疲れを引きずらず、元気になってくれたから安心した…。
でも早いよ、老人か何かですか部長は?


「ちょっと煩いよアンタ達! 何時だと思ってんの?!」


ふと、大きく高い声が部屋中に響く。
見ると、目を擦りながらこちらを見ている副部長の姿があった。


「お、来てくれたのなら丁度良い。もう起きろ」

「はぁ何言ってんの? まだ大丈夫でしょ。あと2時間待って」


部長が俺らに言うときと同じように副部長に言った。だが副部長はまだ寝たいのか、それに対抗する。


「早起きは三文の徳って言うだろ。いいから起きろ」

「うるっさいね。ぶった斬るよ?」


部長の(少なくとも)優しい気遣いを、副部長は暴言で返す。
つか何で部長と副部長が会話すると、毎度毎度危ない雰囲気が出るの?
『喧嘩するほど仲がいい』ってこと? いやでも仲悪いよこの二人。


「2人とも、落ち着いて下さい。早朝から喧嘩したって何も良いこと無いですよ?」


俺は穏やかに言った。
まずは気持ちを伝えて落ち着かせる、と。反応は…?


「三浦、静かにしてろ。今からコイツを目が冴えすぎて眠れなくなるくらい痺れさせる」

「じゃあ私はアンタを永遠の眠りにつかせた後、寝ることにするわ」


何なのこの険悪ムード…!?
また手に負えないパターン!?

誰か!見てないで助けてよ!
そんな「ドンマイ」みたいな顔で見ないで!ねぇ暁君!!

俺がそう思いながら暁君を見つめると、暁君は両手を上げ、お手上げのポーズをしてきた。
己の無力さが情けない…。


「早く起きろって言ってるだけだろ! 何が不満なんだ!」

「アンタの体内時計に不満を持ってるよ! もう少し寝かせてくれたって良いじゃない!」


いっこうに終わらない
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ