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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第31話
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ら、結局兄貴は殺害された後証拠隠滅の為に何者かに遺体を持ち去られて処分されたと判断されて、あの墓の下には現場に落ちていた兄貴の警察手帳とジャケットが入った棺桶しか埋められていないんだ。…………それにしてもまさか今も生きているなんて……生きているんだったら、連絡の一つくらいしろよな………」

ティオの疑問に我に返ってティオに答えたロイドは疲れた表情で溜息を吐いた。



「連絡したくてもできる訳がないでしょう?”自分の存在が邪魔で自分を殺した犯人がまだ捕まっていないのに”、もし自分が生きていると犯人にバレたら今度はロイドお兄さんやセシルお姉さんに犯人の魔の手が迫るかもしれないんだから。」

「!!!」

「なるほどな……その”犯人”が家族のロイドを人質にとって、再び自分を殺害する事は十分に考えられるな。……って、何でそこでセシルさんも出てくるんだ?」

レンの話を聞いたロイドは目を見開き、ランディは真剣な表情で頷いた後ある事が気になり、不思議そうな表情でロイドに訊ねた。

「……セシル姉は兄貴とは婚約者の間柄だったんだ。結婚式の日取りも決まっていて、もし兄貴が生きていたら兄貴が行方不明になった日の1週間後には兄貴はセシル姉と結婚していたんだ。」

「えっ、そうだったの!?」

「マジかよ!?クソ〜、あのセシルさんと結婚できるなんて、ロイドの兄貴だけはあるよな〜。」

「それに関しては同感ですね。」

ロイドの口から出た驚愕の事実にエリィは驚き、悔しそうな表情をしているランディの意見にティオは静かな表情で頷いた。



「どういう意味だよ!?それよりもレン。兄貴は一体どうやって一命を取り留めたんだ?」

「ふふっ、これがまた凄い偶然でね。3年前ガイお兄さんが犯人に殺されたあの雨の日にレンもルークお兄様と一緒にクロスベルを訪れていたのよ。―――借金を返し終えてまともな生活ができるようになったあの二人に一度会うべきだって、お兄様達に説得されてね。」

「あ…………」

ロイドの質問に答えたレンの話を聞いたエリィは瞬時にヘイワース夫妻を思い浮かべて辛そうな表情でレンを見つめた。

「それであの二人が住んでいる家の近くまで行って様子を窺っていたのだけど……そこで見た光景は今よりまだ幼いあの子と共に幸せそうに過ごしていたあの二人よ。それであの二人はあの子をかわいがりながら、こう言ったのよ。『前の子達はあんなことになってしまったけれど……でもよかった。女神様は私達をお見捨てにならなかったんだわ。』『おいおいの話はしない約束だろう?昔のことはもう忘れよう。』 『ええ……哀しいけれどその方があの子達のためよね………』……ってね。それをようやくあの二人に会う事を決めた直後に自分の耳でその会話を聞かされた当時の
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