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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第二十七話 大事なものは敵地に置いてきちゃいけないのです。
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ればともかく、何の関係もない後方からの、しかも一介の大佐からの指示を前線部隊が聞くはずもない。
そんなわけで、ヘーシュリッヒ・エンチェンの撃沈は断念したけれど、今回はそうはいかないわよ。
改革が始まった頃、私はブラッドレー大将に一つの策を献策したわ。自由惑星同盟の情報部員をイゼルローン要塞に潜入させ、情報収集に当たらせるようにすべき、と。過去今までそれを試みなかったわけではないのだけれど、之と言った成果が出てこないのは、要塞の厳重な警備のため。
だから私は定時連絡をシャットアウトさせ、来るべき時のために、情報連絡手段のみを確保させて、潜入させるように言ったの。つまりは、普段は全くのただの兵士に過ぎないわけだわ。
ブラッドレー大将はどちらかというとそういう影の策を好まない方だけれど、最終的には承知してくれた。わかっているわ、聡明な方であっても向き不向きがあるというのは。けれど、曲がりなりにも私の策を承知してくれたのだから良しとしましょう。
先年エル・ファシル星域の会戦の際、拿捕した残存艦隊に、偶然ある技術士官が乗り込んでいた。型どおり尋問が行われる中で、どうやら帝国がエル・ファシル星域に秘密基地を築き上げているとの情報を白状していたの。
でも、それは欺瞞だった。白状したいくつかの基地は既にもぬけの殻。誰もいなかった至難の痕跡もなかったわ。事前に察知して撤収したというわけね。
ここまではいいとしましょう。問題はそこからよ。
イゼルローン要塞に潜入させている同盟軍情報部の一人が独断で通信してきたの。けれど、その判断はこの場合是とすべきだわ。もっともその情報部員はすぐ後で処刑されてしまったらしく、通信は一切できなくなったけれど。
彼によれば、10隻ほどの艦艇が演習のためと称して同盟領内方面へ出航したとのこと。完全ではないにしろ、編成リストを添付してきていたわ。普通ならば何の問題もないでしょう。ところが、ほぼ同時期に1,000隻の哨戒艦隊が出発しているという情報も彼が報告してきたのよ。これは戦闘を想定した集団ね。
おかしいでしょう?演習であれば非戦闘区域を選ぶのが普通なのに、なぜ戦闘艦隊と同時刻に、それも同じ方面に出発するのか。
何かあるに違いないわ。同盟側に。そして少数の編成ということは、ヘーシュリッヒ・エンチェン同様潜入するとのこと。すなわち、この同盟領内に。そして、先年の技術士官の証言が私の中で結びついた。
すなわち、エル・ファシル星域には、まだ未発見の敵の基地があり、何か重要なものを置き忘れていたということなのだと。
それだけなら私は動かなかったかもしれない。だけれど、情報部員が最後にもたらした艦隊の編成リストを見て私の気が変わった。口の端に笑みが浮かぶ。
ラインハ
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