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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第二十七話 大事なものは敵地に置いてきちゃいけないのです。
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ヲ許可スル』とのことです」
「艦を発進させよ」
「了解しました。シャルンホルスト、発艦」

 キルヒアイスが復唱し、それを操舵士が復唱し、シャルンホルストはゆっくりと動き出した。
要塞内部の景色が後方に動き出す。
 こうしてシャルンホルストは、前回のヘーシュリッヒ・エンチェンの単独任務に負けず劣らず困難な長距離航海に乗り出すことになったのである。
 ほどなくしてシャルンホルストは外周に待機していた巡航艦ザイドリッツ・ドライと戦艦ビスマルク・ツヴァイが加わった。アデナウアー艦長の指揮する艦と、イルーナ・フォン・ヴァンクラフトの指揮する艦である。
 そして、ラインハルトのシャルンホルストにイルーナとアデナウアー艦長、そしてベルトラム少佐が乗り込んできた。これから戦略会議を開くのである。

 アデナウアー艦長は、まずラインハルトとキルヒアイスとに一別以来の久闊を嬉しそうに叙した。

「やぁ。二人とも。また大きくなったなぁ」

 それはラインハルトとキルヒアイスを子ども扱いしているのではなく、まるで久方ぶりにあった息子に対する父親のような感慨深い顔だった。

「艦長も、ご壮健で何よりです」

 ラインハルトもキルヒアイスも口々にそう言った。

「いや、私などはもう役に立たんよ。古傷が時折痛むくらいだからな。この航海が終わったら、私はベルトラム少佐に艦を任せて退役しようと思っている」
「艦長が?いや、しかし――」

 まだやれるではないですか、とラインハルトは言いたかったが、艦長の顔を見て黙った。口には出さないが、艦長の身体は壮健とは言えないようだと感じたのである。
 ともあれ、話している時間をそこそこに、すぐに一同は戦略会議室に入って検討を始めた。

「ここからエル・ファシルまでは回廊を通過し、回廊付近の小惑星帯を通過して、直線で行ける距離だ」

 先任はイルーナであったのだが、彼女はラインハルトに指揮をゆだねた。彼女たちの戦略方針からすれば、当然のことである。ラインハルトは一諾し、議長となって指揮を執ることとなった。彼はそう前置きして、

「だが、回廊出口には間違いなく同盟軍警備艦隊が展開しているだろう」
「それについては、大丈夫だと思うわ」

 イルーナが口を開いた。

「イゼルローン要塞から1000隻単位の艦隊が出撃していくのをこの目で見ました。おそらく回廊出口付近にて小規模戦闘にはいる予定だと思うの。それに紛れて侵入すれば問題はないと思うわ」

 前回のヘーシュリッヒ・エンチェンのとった行動をそのまま繰り返すのであるが、戦闘行動中は各艦とも目の前の敵に専念しがちだ。その間隙をぬって突入するのが最もいいだろう。

「同盟の警備艦隊の数は帝国と同じということであればだいたい1000隻程
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