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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第二十七話 大事なものは敵地に置いてきちゃいけないのです。
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は実働部隊任せということか)

 ラインハルトはあきれたが、それ以上何も言わずに引き下がった。
 そのヴェーデン少将も頼りにならなかった。目的地地点とパスコード、施設の概要等を説明しただけで、具体的な作戦は各艦で決めるか、もしくは艦長同士で協議して決めろと言い残して姿を消したのである。

 残された10人ほどの艦長は憤懣やるかたない様子だった。だが、ラインハルトはその中に今まで接してきた旧知の人を何人か見ていたのである。
 イルーナ・フォン・ヴァンクラフトは当然のこととして、あのハルトマン・ベルトラムが少佐としてここに来ていたのだ。聞けば今もあのアデナウアー艦長のもとにいると言い、彼は中佐として巡航艦の艦長になっていると言った。例のハーメルン・ツヴァイが先日の哨戒戦闘で大破してしまって使えなくなったため、代わりに新しい巡航艦が与えられ、アデナウアー艦長は中佐に昇進していた。そしてハーメルン・ツヴァイの乗組員はそっくりそのまま新しい巡航艦に移乗したというわけだ。

「あの時は卿に迷惑をかけたな。・・・おっと、今は卿は大佐殿だ。失礼いたしましたな」
「いや、そんなことは・・・・」

 ラインハルトは当惑そうに口ごもった。ベルトラムにはあの時の憎悪に満ちた色は微塵もない。彼は彼なりに反省し、今まで壮健でやってきたということなのだろう。

「時に、艦長はご壮健か?」
「あぁ。相変わらず俺に艦の指揮を任せているが、よく下級兵士たちと会話しているよ。それにいざというときや俺の不在には自分で艦の指揮を買って出ている。あの人も変わったよ。卿に出会ってからな。ザイデル兄弟も皆も相変わらず元気だ。今は艦長は折あしく精密検査でな。俺が代わりに来た。・・・なに、心配するな」

 ラインハルトの顔色を見て取ったベルトラムが捕捉してくれた。

「あの時の古傷について定期的に見てもらう必要があるというだけだよ」

 そこにイルーナ・フォン・ヴァンクラフトがやってきた。ラインハルトはベルトラムに彼女を紹介した。ベルトラムもしっかりした彼女の態度に好感を持ったらしい。二人はすぐに打ち解けたようだった。
 周りを見まわすと、他の艦長たちも三々五々話をし始めている。ある者は不安そうに、ある者は憤りを隠さずに、ある者は当惑そうに考え込んで。

 これで本当に大丈夫なのだろうかと、ラインハルトは思った。

「ところで、今回の作戦、卿らはどうする?」

 ベルトラムが話しかけてきた。

「残念だが、足手まといの艦を連れていけば、リスクが大きいと思わざるを得ない。かといって単独任務で行けるかと言われれば・・・・」
「それは無謀だと言わざるを得ないわね。遭難すればそこで終わりなのだから」

 イルーナが言う。ラインハルトも同感だった。
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