第29話
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〜夕方・特務支援課〜
「……帰ったよ。もう、出てきても大丈夫だ。」
「…………………………………」
ユウナが隠れているクローゼットにロイドが声をかけると、涙を流して黙り込んでいるユウナが出て来た。
「あ………」
「ユウナ、さん………」
「………よかったのか?追いかければまだ間に合うと思うけど………」
「……ううん………いいの……ユウナがこの街に来た理由……その一つが無くなったから……だから………これでいいの。それに………多分だけどおねえちゃんが突然遊撃士を休業して、”特務支援課”に出向してきた理由の一つもユウナと同じだと思うわ……」
ロイドに尋ねられたユウナは涙を流しながら答えた後、優しげな微笑みを浮かべた。
「そう、か………」
「……もしかしてレンさんが一人で緊急要請を請けた本当の理由は………」
「あの夫妻と顔をあわせたくなくて、逃げたんだろうな……」
ユウナにヘイワース夫妻と会う意思がない事を知ったロイドは肩を落とし、一人で緊急要請に向かったレンの意図を悟ったティオは複雑そうな表情をし、ランディは疲れた表情で溜息を吐いた。
「そんな………本当にそれでいいの……!?ユウナちゃん、どう考えてもあなたとレンちゃんは………!」
一方幼い頃家族がバラバラになり、その事で辛い思いを抱えていたエリィは和解ができ、また家族一緒に幸せに暮らす事ができるのにそれをしないユウナとレンの行動に納得がいかなく、真剣な表情で指摘しようとしたが
「やめとけや、お嬢。世の中には、真っ当な人間には想像もつかない事情だってある。他人が口出せることじゃねぇ。」
「そ、それは………」
ランディに忠告され、黙り込んだ。
「………わたしも同感です。」
「…………………………………」
「ふふっ……そんな顔をしないで。―――ありがとう、お兄さん。ユウナとおねえちゃんの帰り道を邪魔している幾つもの大きな岩………その一つを取り除いてくれて。」
「そっか………力になれたのなら光栄だよ。」
「ふふっ……盗聴器で今までの会話を聞いていたおねえちゃんも今頃お兄さん達に感謝していると思うわよ。」
「へ………と、盗聴器って……」
「……ちょっと借りるわね。」
ユウナの言葉を聞いたロイドが呆けたその時ユウナはロイドに近づいてロイドが身につけている”ARCUS(アークス)”を調べた。
「―――やっぱり。この戦術オーブメントには盗聴器も仕掛けてあるわ。」
「ええっ!?」
「ロイドさんが持っている”ARCUS(アークス)”に仕掛けてあったという事は……もしかしてわたし達の”ARCUS(アークス)”もですか?」
「間
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