第29話
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あったんだ。その結果………とても過酷な道を歩いてきたあの子達は自分自身を騙すことにしてしまった。ユウナは偽物の両親(パテル=マテル)を作り出す事で……そしてレンは僕達―――”ブライト家”を”本物の家族”と思いこむ事で真実を突き止める事を放棄したんだ。でも……それは無理もない話だった。」
「………なるほど。幼いがゆえに自己防衛か。」
「ですが………それでは前に進めません。それどころか………帰るべき場所にも帰れないし、本当の意味で”今の家族”と”本当の家族”同様に接する事もできない。」
ヨシュアの話を聞き、ユウナとレンの事を察したランディは疲れた表情で溜息を吐き、ティオは辛そうな表情で呟いた。
「うん………だからこそ僕達は、彼女達が真実に向かい合える勇気を持てるよう手助けするつもりだった。調べた限り、真実は哀しかったけれどそこには確かな愛情もあったから……だからきっと……今の彼女達なら乗り越えられると思った。でも………もうその必要はないみたいだね。」
「………ああ。少なくとも彼女は全て理解したみたいだったよ。それにレンもきっと……」
「そうか……ありがとう、ロイド。それに支援課の皆さんも。何てお礼を言ったらいいか………」
ロイドの話を聞いたヨシュアは静かな笑みを浮かべてロイド達に感謝の言葉を述べた。
「はは……気にしないでくれよ。成り行きみたいなものだったし、レンは当然として、ユウナにも世話になったからさ。」
「ふふ……確かにそうね。」
「ぐすっ……―――うん、決めた!」
そして泣き止んだエステルは俯かせていた顔を上げて声をあげた。
「最大の障害が無くなった以上、もう手加減してあげないんだから!見てなさいよ〜ユウナ!このまま外堀を埋め尽くした上で絶対にウチの子にしちゃうからねっ!」
「はは……凄いな。」
「いや〜、なんだか知らんがそれでこそエステルちゃんだぜ。」
「なんというか……眩しすぎます。」
笑顔を浮かべてこれからの事を期待しているエステルをロイド達は微笑ましそうに見守っていた。
「ふふ、意気込みは買うけどね。調子に乗った時のエステルほど恐いものはないからなぁ。」
「―――それに関してはレンも同感ね。エステルに目を付けられたユウナには同情するわ。」
苦笑しているヨシュアの言葉に続くようにレンが支援課のビルに戻ってきて答えた。
「レンちゃん……!」
レンの登場にエリィは驚き
「レン……!」
エステルはレンを強く抱きしめた。
「く、苦しいわね……離してよ。」
エステルに強く抱きしめられたレンはうめき声を上げてエステルから離れようとしたが
「やっとレンが前に進めて本当によかったわ
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