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英雄伝説〜菫の軌跡〜(零篇)
第29話
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ナはレンの妹なんだから”、どんなプレゼントをくれるのか、期待させてもらうわよ……………………」

やがて優し気な笑顔を浮かべて涙を流しながら窓から見える外の景色を見つめてユウナを思い浮かべていた。



〜特務支援課〜



「ふふっ………お姉さん達も感謝しているわ。……今日のお礼はいずれ、ちゃんとさせてもらうから……だから……ユウナはこれで失礼するわね。」

レンへのメッセージを終えてロイドに”ARCUS(アークス)”を返したユウナは上品な仕草でロイド達に会釈をした後、去って行った。

「あ………………」

ユウナの行動に呆けたロイドは仲間達と共にユウナがビルから出て行く様子を見守った。

「…………………………………」

「………本当によかったの?追いかけて保護しなくて……」

「ああ……もちろんそれは考えたけど。でも、それは俺達の役目じゃないしな。」

「へぇ……?」

「どうして確信しているんですか………?」

「それは―――」

ティオに尋ねられたロイドが答えかけたその時

「あの〜、ごめんくださーい!」

聞き覚えのある娘の声が聞こえてきた。

「今のは………」

「1階からみたいね。」

声に気付いたロイド達は1階に降りた。



「あら………」

「君達は……」

ロイド達が1階に降りると玄関にエステルとヨシュアがいた。

「えへへ……こんにちは。いきなりゴメンね?連絡も無しに訪ねちゃって………」

「お邪魔かと思ったんですけど至急、確認したいことがあって………少しだけお時間を頂けませんか?」

「それは構わないけど………」

「一体全体、なんの話だよ?」

「”黒の競売会(シュバルツオークション)”の件についてでしょうか……?」

ヨシュアの話を聞いたロイドとランディは不思議そうな表情をし、ティオは尋ねた。



「うーん、あれはちょっと保留中っていうか………そ、それよりも………今日の午後、ロイド君がある人物と一緒に歩いたって目撃情報を聞いたんだけど………」

「ある人物………?」

「………ユウナだよ。」

「………ああ、短い間だけど今日は事情があって彼女と一緒に行動をしていた。」

「っ!!!」

「やっぱり……!」

ロイドがユウナと共に行動していた事を知ったエステルとヨシュアはそれぞれ血相を変えた。



「えっと……もしかしてユウナちゃんって、二人の関係者なのですか?」

二人の様子が気になったエリィは戸惑いの表情で訊ねた。

「ああ……そうなんだ。僕達も数ヵ月ほど、顔を合わせていないけど……でもやっぱり……まだクロスベルにいるんだな。」

「……あ、
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