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メン・タンク・マッチ:MTM
初動編
MTM:初動編  第4話「賭退(チャンス)」Aパート
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目を向けると表紙に書かれていた文字に注目した。
[メン・タンク・マッチ]と書かれている。
これは、メン・タンク・マッチの書類だった。
「どうして、これが」
天桐は驚きながらそう言う。
「実は、メン・タンク・マッチの計画で戦車道連盟からいろいろ連絡を受けててね」
「戦車道連盟にですか?」
「なんで、あんたが?」
「それは、まぁ。家のこととかも関わってるんでね」
アルベルトは横に目を逸らした。
「?」
天桐は何か気になったが、いきなりアルベルトに
「それで、俺のところに戦車があると思って来たんだろ。わりーな」
と言われた。
「悪い?」
「あぁ」
アルベルトは、右手の人差し指を床にさしながら。
「今、ここに。俺様の城に戦車は・・・ないよ」
その言葉に二人は、
「・・・」
「マジかよ」
「マジだ」
少しだけ無言になった。
「そうですか。無いですか。いや、絶対あるとは聞いてなかったんで、それも考えていたんですよ。いや、そーか。ないのか、参ったな。ハァハァハァ。・・・・・・」
ガク
天桐は本日2度目のショックを受けた。
「まぁ、しゃねーか。ねーんだから」
加埜は仕方がないと諦めるように言った。
「だが、作ることは出来るがな」
アルベルトが妙なことを言った。
「作る?」
加埜は聞いた。
「ほら、大会のルールにもあるだろ。条件を満たしたものなら自分で設計したオリジナル戦車を作って参加出来るって」
アルベルトは書類が入っていた封筒を手に取る。
「それもあるからメン・タンク・マッチの話が来たんだがな。何しろ、戦車の設計開発製造は普通の奴にはまず無理だからな」
アルベルトは封筒をデスクに置き、
「それに政府機関や戦車道連盟からの許可がなければ無理だ」
椅子から立ち上がり、窓の方へ歩いた。
「俺は、まぁ。以前から、・・・いや、この大会でのそういう資格は貰っているけどなぁ」
アルベルトは窓の外を見上げた。
「それで、戦車道連盟から」
「あぁ。次いでに言えば、お前が来る前に、既に他の参加者から声を掛けられてね」
「それって?」
「あぁ、オファーが来たんだよ。戦車チームに入って戦車を作ってくれってね」
アルベルトは天桐に顔を向けると少しニヤけた。
「それじゃあ、もう」
「いや、まだ返事をしてないだけでね。断ることは出来るんだよな。だから、今はフリーだ」
「なら、」
「だが、断る」
天桐の言葉を最後まで聞かずにアルベルトは言った。
会話の流れからして言いたいことは大体予想が出来る。だから、アルベルトはそれを断った。
「え?・・・なぜ?もしかして、お金とかですか?」
「いや、そんなことじゃねぇよ。お前のために戦車を作る気にはなれないからな」
アルベルトはそう言いまた椅子に腰掛けた。

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