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メン・タンク・マッチ:MTM
初動編
MTM:初動編  第4話「賭退(チャンス)」Aパート
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った質問をぶつけた。
「あぁ、俺様がアルベルト・四十院だ。それがどうした?」
「いや、その」
やはり、目の前にいる男が、会いたかった人物、アルベルトのようだ。やっと会えた相手に少し嬉しい気持ちが出て来たが、それと同時に不安も出て来た。ここに戦車を提供してくれるかもしれないと柴田に教えてもらい訪ねてきたが、いろいろなことが在った挙句に、初対面で少し失礼な態度や敬語を使っていなかったのが少し不味いと思えた。
「ア、アルベルトさん」
「うん?なんだなんだ。突然、畏まった態度になって」
「は、はぁ」
自分がさっきまで警戒した相手に対して突然、敬語を使い始めたのはやはりおかしいだろう。だが、天桐はなんとかアルベルトの機嫌を少しでもとろうと思った。
「で、お前らは俺様の城に何しに来た?」
今度は、アルベルトが質問をしてきた。
「他人の敷地に、かって入り込んだ挙句に警備システムを作動させるようなことをして地下のダンジョンコーナーまで来たんだ?」
アルベルトはそう天桐達を見つめた。
「それはですね」
「あれは、オメーの妙なトラップのせいでこうなったんだ」
天桐はどう答えたらいいか迷っている一方、加埜は文句を言った。
「おい、加埜って。え、えーと、ですね。実は、戦車を探していまして」
「戦車?・・・なんで」
天桐は、アルベルトに説明をしようと思ったが、どう話せばいいか迷った。ここに来るまでに、加埜が柴田さんに話した見たいだが、メン・タンク・マッチのことは、関係者や参加者以外に余り教えてはいけないのだ。まだ、公に出来ないこともあるため、世間に広めたくないのが運営らしい。以前に行った説明会も大々的にではなく、関係者によって参加者だけを招待したものもある。本当なら、一から正直に話したいのは山々だが、初対面の相手で信頼もまだないアルベルトには教えるのに抵抗が出る。
天桐は、少し頭を捻った。
「実はですね。男で戦車の競技をやってみようと思いまして。いや、戦車道って女性がやるものなのは承知なですけどね。僕らだけで、ちょっとやってみないかと思いまして。それで使える戦車を探しているんです。はい」
天桐はそう若干の作り話をした。
「ふーん、なるほどねぇ。なぁ、お前。えーと、天桐だっけ?」
「は、はい。そうです」
アルベルトは椅子に座ったまま、足を組み
「お前、メン・タンク・マッチに出場する気だな」
と言った。
「・・・え?」
天桐はその単語を聞いて驚いた。
「フン、なぜ知っているという顔だな」
アルベルトは、そう言いデスクの引き出しを開けて何かを取り出した。
それは、大きな封筒だ。アルベルトは、開けて中から何かの紙の束を出した。書類のように見える。
その書類を天桐に向けて投げた。
天桐は、とっさに両手で掴んだ。そして、掴んだ書類に
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