第3章 リーザス陥落
第91話 サウスの戦い
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は、僅かに滴が溜まった目元を軽く拭うと、リックの方を見た。
「リック将軍――」
「……判りました。宜しく頼みます。かなみさん」
「気を付けろよ。……何かあれば、直ぐに合図なりで呼べ」
「ありがとうございます。清十郎さん」
その後 正確な日時。ここからサウスに付くまでの時間を逆算しつつ、決行時を入念に確認、やり取りをした。
それらのやり取りは――、かなみが何をするのか、今からどうするのか、それが皆に伝わるのは仕方がない事だ。足並みを乱す訳にはいかないから、黙秘する訳にもいかない。
「コラコラコラ! ユーリ! 何勝手に仕切っておるのだ。総大将を差し置いて!」
ランスが、文句を言うのも当然、と言うか 想定内だった。
「この中で 隠密行動をするのは、かなみが最適だろ? 他に案はあるか?」
「ちゃっちゃと、あの筋肉ババアを殺す。それだけだ!」
「だから、それを成功させる為にも、だ。――それに」
ユーリは、いつも通り、マニュアルを頭の中で開いて実行に移す。マニュアルと言ってるが、非常にページ数が少なく、単純明快である。
「サウスにも助けを待つ女性たちが。婦人たちが多いと聞くからな。オレとしては、これ以上、傷ついて欲しくはないんだ。―――んー、なんなら、オレが行っても良いな。気付かれない様に、は 少々無理だが、それでも 色んな意味でヤル価値は――」
と、ここまで言えば後は全自動だ。
なのだが……、ここでマニュアルにない事が、――トラブルが起きてしまう事は想像すらしていなかった。
「だぁぁぁぁぁ!!!!!! おい! へっぽこ忍者!! さっさと行って避難させて来い!! おお、そうだ。更にこの写真を広めろ!!」
どこからか、取り出したのは、ユーリの写真。当然ながら、そんなもんが出てくるとは夢にも思っていないわけで。………ランスの懐から、と言えば尚更だ。
「――んなもん、いったいどっから!!!」
と、ユーリは、想定外だった事に驚きがあったが、ランスはさっさとかなみに渡した。
水性ペンで顔の上に、『凶悪人物!! 見つけたら直ぐに通報!!』と素早く書いて。
「さっさと行ってこい!! 失敗したら罰ゲームだからな。裸で阿波踊りをさせてやる!」
「誰がよ! それに、へっぽこって言うなっ!!」
かなみは、顔を少々赤くさせて怒りつつ―――、しれーっと、ゆっくりと ランスからもらった写真を、ブロマイドを――懐に仕舞った。顔に落書きはランスは出来なかった。要注意人物にする為には、正確な顔写真でないと、ダメだから 苦渋?の決断である。
写真の空白のスペースの文字は納得しかねるが、懐に仕舞いながら、親指でぐいぐい、と消したから、ノー問題。
「こらぁ
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