暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第91話 サウスの戦い
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等の強さを誇っているとすれば、厄介極まりない事はランスも重々承知だった様だ。

「ちぃ、トーマの部隊とおんなじじゃねぇか。厄介この上ねぇうえに、止まる奴らじゃない」
「げ、幻獣さんっっ! お姉ちゃんを援護して!」

 ヨークス姉妹は、前回の戦いを活かし、機動性をフルに利用した立ち回りで、攻撃を当て続けた。ミリの早業、ミルの物理無効の幻獣攻撃。全て急所を狙った攻撃である。

「皆のいたいのいたいのとんでけー」

 クルック―も、常に戦況を把握し、無駄のない回復に努めた。
 勿論、接近が全くない訳ではない。

「ヘルマンの為に!!!」

 迫るヘルマン軍の規模はやはり 多いからだ。

「えい」
 
 だが、クルック―も機動性を活かし、懐に潜り込むと――相手の力を利用しつつ、投げ飛ばし続けた。

「ちっ…… しつこい! 死爆!」

 フェリスは空から魔法で攻撃するが……、控えているのはアタッカーだけじゃなく、弓兵や魔法兵も多い為、隙の多い強魔法を放つ事が出来ない。その上、あたっても構わず突っ込んでくるのだ。

「あんな女に、それだけ命を懸ける価値があるのか……? こいつらは」

 フェリスは、その部分も疑問に思っていた。

 辺りを見渡せば、よく判る。
 ランスの為に、戦う者も中にはいるが……、代表的なメンバー達は大体が、もう一人(・・・・)の主人にベクトルが向いている。

 今戦場で戦い続けている皆が……。

 トマトがアイテム攻撃と剣攻撃を複合させた業を振るうのも……。
 ランが、魔法と剣を合わせた魔法剣を放つのも……。 
 クルック―やここにはいない 志津香もそうだ。大部分が最も信頼しているあの男についていく為に、戦っているのだ。……命を懸けている、懸けるに足る男だから。

 だが、あの女――ミネバには、どう見てもそういった気概は見えない。嘗て、フェリスは、ランスにも言ったが……、悪魔よりも、悪魔に見える。また、別の種類の。……殺戮の悪魔に見えるのだ。

「前衛!! 後ろに行かせないで! 後、成るべく、散って! 回避行動は、しっかりと見極めるの!!」

 前回の敗戦を思い返しつつ、指示を出す。

「狙った場所に落石を当てるなんて、不可能だ! 我々は2度の過ちは犯さない!」
「数で相手を攻め落とせ! 隙を見せるな!! 接近を制すれば、あの女も出来ない!!」

 リーザスの進撃は、明らかに前回よりも強く、制圧速度も速かった。
 だからこそ、早く制圧すれば、……如何にミネバであっても、己にも危険が及ぶ様ほど接近すれば、崩落など起こさない筈だ。……あの手の手合いの性質がどうなのか、仲間の命を使う様な者が己の命を懸ける様な相手じゃない。安全地帯で 罠に嵌った相手を見下し、下
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