第23話「じゅうしょう」
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「どういうこと?」
「...友好的じゃない人間もいるって事だ...。」
由紀の言葉にそう答える。
「ふーん...って、わぁっ!?」
「ちょ、おま...!」
どうやら、由紀は梯子の上から聞いてきていたみたいで、バランスを崩す。
慌てて、俺と蘭が支えに行き、無事に済ませる。
「えへへ...ごめん...。」
「お前なぁ...。」
笑って謝る由紀に俺は溜め息を吐く。
「...他の皆は大丈夫だよな?」
「だ、大丈夫...多分。」
「......。」
...先生がそんな自信なさげだと、困るんですけど...。
「別に、これぐらいの梯子じゃ大した事ありませんって。」
そう言って、先生を降ろさせる。
.....よし、これで全員だな。
「よし、じゃあ改めて....。」
“行こうか”と言おうとした瞬間....。
「全員、持っている物を捨てて手をあげろ!!」
「っ――――!!」
拡声器を使った大声で、俺達にそう言う。
「(しまった...!由紀たちに気を取られて気配を探るのを怠っていた...!!)」
聞こえたのは一番近い...と言ってもある程度離れた所の茂み。
...本来なら、気づける距離じゃねぇか...!
「....遼。」
「あぁ。...皆、とりあえず指示に...。」
皆が警戒しつつも持っている荷物を地面に置く。
「(...くそ、油断した。...しかも、どうやら運が悪かったらしいな...。)」
どう考えても友好的な雰囲気じゃない。
...いざとなれば、俺と蘭で皆を護りつつ抑え込むしかないな...。
「(...一応、指示に従った。さて、どうくる...?)」
どう来ても対処できるように、手を挙げた体勢で身構える。
「全員だ!早くしろ!!」
「っ!?」
だが、今度は肉声の大声でそう言われる。
しかも、ボウガンを構えて茂みから飛び出している。
出てきたのはニット帽を被り眼鏡を付けた、俺より身長の低い小柄な青年。
「(くそっ!狙いは...!)」
あんな言い方をするという事は、誰かがまだ何かを...!
「(っ...!悠里!)」
ボウガンの先は、悠里へと...正確には、抱えているぬいぐるみに向けられていた。
「(そうだった...!悠里にとっては、あのぬいぐるみは“るーちゃん”と言う一人の子供!...“物”という感覚で腕に抱えている訳じゃない!)」
目線を男に戻せば、やはり悠里に対して敵意を向けていた。
「(これは...まずい!!)」
「―――
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