第23話「じゅうしょう」
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.遼、君...?」
持ってきていた懐中電灯で先を照らすと、そこに悠里がいた。
...ちょうどあの教室の前。....ビンゴだったか。
「どうして一人で....。」
“こんな所にいるのか”と聞こうとして、気づく。
「悠里...お前.....。」
「...間に合ったわ。...いたのよ。皆が、気づかなかっただけで...。」
悠里はそう言って、安堵の息を漏らす。
「っ...とにかく、皆も心配して時機にここに来る。戻るぞ。」
「...ええ。」
そう言って、悠里は“ソレ”と手を繋いで、俺と一緒に階段を下りて行った。
―――...そう、由紀が置いて行った、あのぬいぐるみの手を、繋いで...。
「遼!」
校門を出ると、ちょうど蘭達が来た所だった。
「良かった!りーさん見つかったんだな!」
「....あれ....?」
胡桃は俺の隣にいる悠里を見て、そう言う。
そこで、由紀は悠里が手に持っているぬいぐるみを見て、何かを察する。
「..ねね、りーさん。その子誰?」
「え?由紀ちゃん、何を...。」
「先生。」
由紀のその言葉に、先生が聞こうとして、俺が止める。
先生は、そんな俺の顔を見て、理解したのか言葉を止める。
「校舎の中に隠れていたみたいなの。...助けれて、良かった...。」
「っ....!」
悠里の返事に、他の皆も戦慄するかのように驚く。
...そりゃあ、悠里がかつての由紀みたいになってしまったからな...。
「...とりあえず、戻ろう。」
「あ、ああ...そうだな...。」
胡桃は悠里の事が気になるようだ。
...そりゃあ、まさかこんな事になるとは思わんだろうからな。
「...りーさん、なんであんな...!」
翌日、俺達は悠里に関して少し話す事にした。
悠里には席を外してもらい、由紀と先生が付いてもらっている。
二人が適任だしな。
「...ある程度...いや、ほぼ完全に...それこそいつもの日常と同じくらい、学校は安全になっていたし、一つの心の支えにもなっていた。それが一日で崩壊したとなれば...。」
「...相当精神に響いてた...んですね...。」
皆、いつも部長として頼りになっていた悠里が、かつての由紀みたいになってしまい、相当深刻な表情をしている。...かくいう俺も、そんな顔になってるだろう。
「迂闊だった...!あそこまで重症だっただなんて...!」
「どうにかして、治せれば
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