第23話「じゅうしょう」
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=遼side=
「.....ん...?」
ふと、眠りが浅くなっていたのか、目を覚ます。
「(...おかしいな。眠りが浅くなるなんて、物音がした時ぐらい...。)」
親父に色々仕込まれたせいか、俺の睡眠は少し特殊になっている。
ある程度音がなれば、すぐに目を覚ますし、起きない程度の音でも眠りは浅くなる。
...つまり、眠りが浅くなったという事は、物音があったという事だ。
「(しかし、物音を聞いた記憶は一切ない。だとすると...。)」
...親父ならすぐに起きたのだろうが、俺の場合は少し違った。
小さい物音だと、眠りが浅くなって、時間差で起きるのだ。
つまり、今より前に何か物音があったという事だ。
「.....。」
胸騒ぎがし、物音を立てずに寝袋から出る。
そっと、女子達が眠っている場所を覗くと....。
「...悠里?」
...悠里の姿が、見当たらなかった。
「っ...!まさか....!?」
精神的に追い詰められている悠里。そしてここは学校の近く。
...嫌な予感しかしない。
「皆!起きてくれ!!」
急いで皆を起こす。
「っ、どうしたの?」
「悠里がいなくなった。」
「ええっ!?」
いち早く目覚めた蘭にそう言う。
「多分、小学校に向かったのだと思う。俺が先行っておくから、説明しておいてくれ!」
「あ、ちょ、遼!!」
傍に置いてあった武器を入れた鞄を掴み、急いで小学校に向かう。
この家は小学校から徒歩数分だ。まだ、間に合うかもしれん....!
「(油断した...!想像以上に悠里は追い詰められていたんだ...!)」
小学校までの道のりを走りながら、俺は詰めの甘さを悔やんでいた。
「(...無事で、いてくれよ....!)」
「(...幸い、辺りに奴らは見当たらない...か。)」
学校まで辿り着き、耳を澄ませつつ辺りを見回す。
...が、奴らの気配は近くにはなかった。
「(後は悠里か..。)」
学校を睨むように見る。
十中八九この中にいるからな。急がねば...!
「(皆を待っている暇はない!可能性の高い所から探す!)」
すぐに小学校に入り、一番近くの階段を上る。
...いるとしたら、三階。バリケードがあったあそこが一番可能性が高い。
「悠里!いないか!?」
三階を上りきった所で、大声で呼ぶ。
ここまで奴らは見掛けなかった。だから、多少の大声なら大丈夫だ。
「...っ、悠里!」
「..
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