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ヘビーローテーション
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第二章

「断らないわよね」
「えっ!?」
「女の子を一人で帰らせたりしないわよね」
「それはその」
「じゃあ決まりね」
 彼女を見ただけで心臓が止まりそうな僕への言葉だった。
「それじゃあそういうことでね」
「この娘をお家まで」
「そう。ボディーガード頼んだわよ」
「宜しくね」
 僕にこう言ってだ。それからだった。
 女の子達は無言でその場に畏まった感じで立っている彼女の肩や背中をぽんと叩いてそのうえで。彼女にこう言っていた。
「じゃあね。いいわね」
「頑張りなさいよ」
「え、ええ」
 彼女は女の子達の言葉に応えていた。どうして頑張りなさいよ、なのかは僕にはわからなかった。だがそれでもだ。女の子達の言葉を受けて。
 彼女は僕の正面に出て来てこう言ってきた。
「あの、じゃあね」
「うん、お家までよね」
「そう。お願いね」
 おずおずとした感じで僕に言ってきて僕もそれを受けた。こうしてだった。
 僕は彼女と一緒に帰路についた。今はじめてわかったことだけれど何と彼女の通学路と僕の通学路は一緒のコースだった。乗ってる電車の線が同じだった。
 学校から駅まで、そして電車に乗る間にだ。彼女は僕にこう言ってきた。
「あの。いいかな」
「えっ?」
 一緒にいるだけで死にそうになっていたから声までかけられるとだ。それでもう。
 緊張してどうにもならなくなって顔が真っ赤になって。どうしようもなかった。
 それで苦しくて気が動転して出す言葉に困る。けれど。
 彼女は僕より随分と落ち着いた感じでだ。話しかけてきてくれた。
 話自体はとりとめもない日常会話だ。けれどそうした話をしていって。
 僕は少しだけれど気持ちが解れた。何とか応対することができた。
 この日はそうしたやり取りで終わった。彼女のお家の最寄の駅で降りてお家の玄関まで案内する。お家は駅前のマンションの三階の部屋だった。
 そこでお別れだった。それだけで終わりだった。けれど。
 夢みたいだった。事実上のファーストデートだった。こんなことになるなんて夢にも思わなかった。
 その日は興奮し過ぎて寝られなかった。けれどその次の日に学校に来ると。
 また女の子達がにこにことしてだ。僕にこう言ってきた。
「帰り道は大丈夫になったのよ」
「けれど。それでもなのよ」
「どうも最近朝が物騒でね」
「女の子って色々と危ないじゃない」
 朝学校に来た途端にだ。下駄箱で囲まれて言われた。
「だから。明日からね」
「登校の時のボディーガードお願いするわね」
「頼んだわよ」
「えっ、朝に毎日!?」
 昨日のことだけでも驚いて夢かと思ったのにそれがだった。
 これからは毎日になった。僕は女の子達にこう言われた。
「毎日なんだ」
「そう。何かあって
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