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Blue Rose
第十四話 表に出てきてその八

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「そうさせてもらうよ」
「有り難う」
 優子は優花の今の言葉を受けて彼に礼の言葉を述べた。
「それじゃあその信頼にね」
「応えてくれるんだ」
「そうする様に務めるわ」
「そうなんだね、じゃあ」
「大人がすることは任せて」
 優子はその大人としてだ、弟に言った。
「姉さんがやるから」
「大人がすることは」
「そう、全部やるから」
「じゃあ僕のこれからのことは」
「女の子に本格的になりだしたら」
 その時のことをだ、優子はあえて言った。
「周りも気付くでしょ」
「そうだよね」
「だからね」
「その時はなんだ」
「少し身を隠さないといけないから」
「僕が女の子になるまで」
「それからのこともあるから」
 優花が完全にだ、女の子になってしまった時もというのだ。
「任せてね」
「それじゃあね」
「そう、その時もね」
「姉さんが全部やってくれるんだ」
「戸籍のお話もあるから」
「男の子から女の子になったら」
「そのこともね」
 戸籍は絶対に関わる話だ、何しろそこから様々な法的なことや権利が生じるからだ。逆に言えば戸籍から全てがはじまるのだ。
「あるから」
「だからだね」
「任せてね」
「それじゃあ」
「ただ、高校生の間はね」
「その間はだね」
「八条学園に戻らない方がいいかも知れないわね」 
 優子はこう考えその考えを優花に話した。
「貴方のことを皆が知ってるから」
「高等部の皆が」
「そう、若し女の子になっても」
 それでもというのだ。
「貴方のことに気付く子がいるから」
「どうしてもだね」
「そうしたらおかしなことになるでしょ」
「それで高等部はだね」
「戻らない方がいいかしら」
「大学は?」
「その時は時間も経っているから」
 高等部からというのだ。
「もう貴方のことを忘れているわ、龍馬君は別としてね」
「うん、龍馬はね」
「貴方のことを忘れないわ」
「友達だから」
「けれど他の子はね」
「もう僕が高等部からいなくなったら」
「貴方のこと、特に顔や外見のことをね」
 そうしたことまでというのだ。
「忘れるわ、特に貴方が女の子になって外見がかなり変わったら」
「それでだね」
「わからない様になっているわ、服装も変わるから」
「女の子の服を着るから」
「声もね、実際次第に女の子の声になってきているわね」
「声のことも」
「あるから」
 だからだというのだ。
「髪型も変えて、お化粧もしたりするから」
「それが女の子だから」
「まずわからないわ、後は名前も少しね」
「変えるの?」
「姉さんと一緒に住んでいても」
 それでもというのだ。
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