暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜黒の剣士と神速の剣士〜
SAO:アインクラッド
第37話 運命の鎌と火炎の巨剣
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神から距離をおく。
攻撃を受けた死神は標的(ターゲット)をキリトからカゲヤに変えると、振り向きゆっくりとカゲヤへ近づいていく。
しかし死神は数十センチ進んだ途端、急に速度を上げ、鎌を振りかぶりながら突進してくる。
10メートルの距離を一瞬で詰めた死神は、容赦なく鎌を振り下ろす。

「!!…《5倍速》!!」

カゲヤは咄嗟に神速スキル《5倍速》を発動し、ぎりぎりで避けるが鎌の切っ先がカゲヤの腕をかすめる。
それだけでHPの3割が削られた。

「くっ……速すぎる……!」

死神はカゲヤに距離をとる隙を与えず次々と鎌を振り下ろす。

「ぐ……せぁっ!!」

カゲヤは次々と迫り来る鎌をどうにか避けると力任せに剣で鎌を弾き、無理やり活路を開く。

「くそっ………タイムオーバーした」

カゲヤは《5倍速》を解くと同時に死神の横を通過し、十字路の方へと向かう。
途中で向かって来たキリトと合流し、カゲヤは死神の方へ向き直る。

「キリト、気をつけろ。そいつ速いぞ」

「どうする?カゲヤ」

「まずは時間稼ぎだ。その後は、戦いながら安全エリアまで後退するぞ」

「わかった」

「よし……行くぞ!」

カゲヤの合図と共に死神を側面から攻撃するべく、キリトは右へ、カゲヤは左へ別れ死神に近づく。
しかし、死神は滑るように後方へ下がるとカゲヤとキリトに向けて鎌を横一閃に振るう。
カゲヤは後方に跳んで避け、キリトは二刀で防ぐ。
だが、キリトは完全には防ぎきれず吹き飛ばされ数メートル奥の十字路の手前まで飛ばされる。

「キリ…!!ぐぅ……!!」

いつの間にか真横まで迫ってきていた鎌をカゲヤは体を捻り剣で鎌の軌道をずらし、なんとか避ける。
しかし、下から高速で放たれた2撃目は避けきれず、剣で防ぐがキリト同様吹き飛ばされてしまう。
キリトはHPが半分も減りカゲヤに至ってはHPが残り2割しか残っていなかった。

くそ……タイムオーバーさえしなければ……

カゲヤは自分の失態を悔やみながらも立ち上がろうとする。
だが、その時。
とことこ、と小さな足音が耳元で聞こえ視線を向けるとそこにいたのは安全エリアにいるはずのユイだった。
恐れなど微塵もない足取りで死神の方へと歩いていく。

「ばかっ!!はやく逃げろ!!」

必死に上体を起こそうとしながらキリトが叫ぶ。
死神は重々しいモーションで鎌を振りかぶる。
あれほどの範囲攻撃に巻き込まれたらユイのHPは確実に消し飛んでしまう。

「「ユイちゃん!」」

後方からアスナとサキが駆け寄ってくる。
だが、次のユイの言葉にアスナとサキは動きを止めた。

「大丈夫だよ、パパ、ママ、ねぇね」

言葉と同時にユイの体がふわりと宙に浮く
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