第10話 叶えて欲しい
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るギャグを言うなんてできないから、ね。
「なんかよくわからないけど.....まぁ、春くんだしいっか♪」
納得の仕方がちょっと引っかかるけど笑顔になったので言及せずに話を続ける。
「ところでさ、今さっき凛ちゃんが考えていたことを僕がそれっぽく当ててみてもいいかな?」
「え?りんの考えていたこと?」
何を考えていたのかとても興味ありげな笑顔でずいっと顔を寄せてくる。
むしろ”内容が内容なだけ”に表情を強張らせるのではないだろうかと予想していたけど。
まぁもしかすると外れてるかもしれないし、その時は素直に謝ろう。
僕は一呼吸おいて....なぜか少し緊張した胸を押さえながら言う。
「凛ちゃん、もしかしてスクールアイドルやってみたいなんて考えていたりしないかな?」
「.....え?な、なんでそんなことを?」
外れか、当たりか。
どちらにせよ、凛のこういった反応が来ることは予想していた。
『自分は女の子らしくない』と常日頃口癖のようにそれを連呼していた。当然女の子らしい....いや、完全に女の子女の子しているプロのアイドル然り、アマチュアのスクールアイドル然り、凛にとって船体縁のない世界だときっとそう考える。
だけど、
「憧れてるんでしょ?彼女たちに...」
「憧れてる?りんが?」
「うん。ステージ上できれいな声で歌ってフリフリの衣装着て踊る彼女たちの姿が」
さっきまでのキラッキラの笑顔とは反対に、申し訳なさそうに俯いて凛は首を左右に振って否定の意を表す。
くしゃりと音を立ててしわだらけになったポスターを握るその手は僅かに震えていた。
「そ、そんなことないよ?だってりん、胸も大きくないし髪だってこんなに短いんだよ?それにりんがこんな可愛い衣装着ても絶対似合わないよ?ほんとだよ?」
精一杯の否定は声が上擦っていたり震えていて、認めたくないけど認めなきゃいけないといった自分の気持ちを押し殺しているかのように、僕の胸に突き刺さった。
どうしてそこまで躍起にならなきゃいけないのかな?
と凛に言いたいところだけど、こうなってしまった原因を僕は知っているから下手に言葉にはしない。
他の誰かには理解できないことだろうけど、僕や花陽と凛。特に凛にとっては”今の彼女”を形成している大事なことだから。
「凛ちゃん.....」
「それにほら、仮にりんがアイドルなるとしてもアイドルに心から憧れているかよちんを差し置いて凛がなるなんて....できるわけないにゃ」
「そんなことはないよ。きっと花陽
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