第10話 叶えて欲しい
[5/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
..でも、そう上手くいかないのが現実だ。
勧誘されて『私にはできないから』『似合わないから』と、自身を卑下してせっかくのチャンスを無駄にしちゃうのが僕の幼馴染。
一筋縄ではいかないだろう。
「でも、強引にスクールアイドルさせて花陽ちゃんに辛い思いはをさせるのは嫌なんだよね〜」
「そうだよね....りんもそれは嫌だ。かよちんにはスクールアイドルをやって欲しいけど.....やる気がないなら無理強いはできない」
凛のその発言に「いや、」と、僕は否定の言葉で返事をする。
「花陽ちゃんはやる気がないんじゃないよ。自分自身に自信が無いだけなんだ。自分はあんなにキラキラ輝けないから、歌もダンスも得意じゃないし秀でたものなんて何もないから、そんな私がスクールアイドルやっても周りのメンバーの足を引っ張るだけだから....きっと彼女はそんなことを考えてるんだよ」
「秀でたものが無いわけないにゃ!かよちんは───」
「って僕や凛ちゃんがそう言っても花陽ちゃん自身が納得しなきゃダメなんだよ。僕にはただ、花陽ちゃんの言葉を聞いて、彼女のやりたいことをやりたいようにやらせて、時には花陽ちゃんの背中をそっと押してあげることしかできないんだよ。もちろん花陽ちゃんが間違ってた道に進もうとしていたら僕は全力で止めに行くけど...まぁ、あの花陽ちゃんだ、そんなことは絶対ないよ」
当然、相談を受けたらアドバイスはする。
だけど、僕としては自分のやりたいことには自分の意志で、思ったことをそのままのように花陽ちゃんには」やって欲しい。
だから僕は花陽ちゃんから『スクールアイドルをやりたい』って言葉をしっかり聞くまでは何も行動を起こさないし、むしろ何も言ってないのに行動を起こして余計なお世話だなんて思われたくはない。
「...流石春くんだね、かよちんの事よくわかってる」
凛は心なしか、寂しそうにぽつりと呟く。
「花陽ちゃんだけじゃないよ?凛ちゃんのこともよくわかってるつもり、それに花陽ちゃんのすべてをわかってるつもりはないよ?いくら何でも完全に心の中までは読めないし...ただ、長い間あの子と一緒に過ごしてきたから考え方の癖だとか、こういう時どんなことを考えていそうだとかは、なんとなく想像が付くだけ。つまりはええと.....”漢の勘”ってやつかな?」
「そんな言葉初めて聞いたにゃ」
「そう?でも、”女の勘”って言葉があるからきっと”漢の勘”って言葉もあるよ、うん」
僕なりのおちゃらけた話で凛の寂しさを紛らわそうとする。
別に面白さなんて求めていない。少しでも凛の顔に笑顔が戻ればこの話は面白かったと捉えるんだ。
...うん、僕はユーモアあふれ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ