第10話 叶えて欲しい
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「そ、そうじゃないよ!凛ちゃんの胸の話じゃなくて体の方。僕の腕にすっぽりハマる感じだから花陽ちゃんと比べるとずっと小さいな〜ってことだよ!」
「かよちんと大小比べられるとおっぱいの事言われてるような気がするにゃ.....」
そんなつもりは無いのに.....
ぷくっと膨らませる頬をつんと突っつくとぷしゅーっと空気が抜けるようにへこむ。
それがついつい可愛くて膨らませては突っついて、また膨らませては突っついて。
そうこうしてるうちに凛は
「もうやめるにゃ〜っ!」
「ごめんごめん!余りにも可愛いからつい」
ポカポカと頭を叩いてきた。
さっきも言ったけど、傍から僕たちのやり取りをみてると間違いなく激甘なカップルにしか見えないだろう.....
でも、これが僕と凛、花陽との距離感であり、僕達らしい関係なのだ。
「そ、そんなことよりも花陽ちゃんの夢がどうとかってさっき言ってたよね。具体的にはどういうこと?」
「あぁ、そのことなんだけどね」
話題転換。
僕の太ももから降りて、いつも学校に行く時に使っているスクールバッグから一枚のプリントアウトされた紙を取りだして僕に見せてきた。
「これなんだけど.....」
「なになに....ファーストライブ開催のお知らせ?」
紙には音ノ木坂学院スクールアイドル結成!ファーストライブ開催!っと女の子が書いたであろう丸い可愛らしい字ででかでかと書かれていた。それを見ながら凛は嬉しそうに、だけどなんとなく”羨望の眼差し”でポスターを眺めている。
紙の真ん中には三人の女子生徒が描かれ、間違いなく高坂先輩、園田先輩、南先輩の三人だということがわかる。
というかスクールアイドルをやろうなんて発想に至るのが高坂先輩率いるあの三人しかいないくらい僕にでもわかる。
「そうだにゃ。りんの通う高校にもスクールアイドルが誕生して、下の方にほら....”メンバー募集中!”って書かれているからかよちんもこのスクールアイドルに加入すれば諦めちゃった夢も叶うし、かよちんの魅力を沢山の人に伝えることができる!まさに一石二鳥にゃ!!」
「確かにそうだね...というか凛ちゃんの口から”一石二鳥”なんて言葉が出てくるとは思わなかった」
「む?りん、遠回しに馬鹿にされてる?りんは春くんより成績は上なんだけど〜」
「そ、そうだね...ごめん」
頭がどうとかはさておき。
凛が言っていることは間違いではない。というか僕も少しは考えたところだ。
高坂先輩なら、花陽のことを一度は見ているしきっと勧誘しに行くに違いない。
引っ込み思案な彼女を何度も勧誘しに行くだろう。
..
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