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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第二十六話その2 対ラインハルト包囲網の形成です。
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デ侯爵夫人邸に仕える使用人たちはそんな主の一面に驚き、かつ自分たちのためにもこの武人子爵の来訪を心待ちにするようになったのである。
「いや、結構です子爵様。わたくし一人で今のところは充分。仮に手が足りない場合はこちらからご一報差し上げます」
ベルバッハが恭しく言った。
「そうか。よろしく頼む」
子爵はうなずいた。後は細かい打ち合わせというよりも、この場を取り繕う雑談がもおよされた。最近の帝国軍の動向、演劇界の流行、皇帝陛下の御気色、宮廷でのゴシップ等が紅茶などの飲み物交じりに飛び交った。一応名目上はベーネミュンデ侯爵夫人の御機嫌伺と言うことになっていたからである。
「では、今日のところはこれで失礼いたします」
シュライヤー少将が立ち上がり、一礼すると、ベルバッハともども去っていった。ゴッドホルン子爵だけは椅子から動かなかった。このようなことはしばしばあったから、シュライヤーもベルバッハも敢えて子爵に声をかけることをしなかった。
廊下に出た二人は無言で玄関ホールまで歩を進めていた。シュライヤーのやや後ろをベルバッハは歩いていく。途上、ベルバッハはちらと開いている部屋の一角に視線を転じた。そこにはヴァネッサがいる。彼はかすかに点頭して見せた。ヴァネッサがうなずき返す。ベルバッハはそのまま歩を進め、無関心な様子で玄関ホールの様々な陳列品の間を通り、シュライヤー少将と共に、玄関先に待たせてあった迎えの車に乗り込んで走り去っていった。
バタン、とドアが閉まると、ゴッドホルン子爵はベーネミュンデ侯爵夫人に顔を向けた。
「やはりそなたは皇帝陛下のご寵愛を取り戻したいのだな」
一瞬憎悪の念をほとばしらせたベーネミュンデ侯爵夫人は、少女のような一途な顔に戻って、こっくりとうなずく。
「それほどまでにお慕い申し上げている、というわけか」
平板な声だった。事実を一つ一つ確認しようというカウンセラーのような穏やかな声音だった。
「誰だって、初めての殿方には恋い焦がれるものですわ。お兄様。ましてそれが万人の頂点たる皇帝陛下であれば、なおさらですもの」
ベーネミュンデ侯爵夫人はグレーザーが聞いたら、飛び上って信じられないと目をひん剥きそうなほどの穏やかな声を出している。
「そうか」
ゴッドホルン子爵は少し黙っていたが、
「シュザンナ、一つだけ聞かせてほしい。・・・・・お前の覚悟だ」
「覚悟?」
「そうだ。あのミューゼル姉妹を駆逐するにあたってのお前の覚悟、どれほどのものなのかを、聞かせてほしい」
ベーネミュンデ侯爵夫人の顔が少女からただの一人の女――恋するあまりに妄執と憎悪の念にとらわれた一人の女――に戻った。ミューゼルという言葉、アンネローゼ
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