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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第二十六話その2 対ラインハルト包囲網の形成です。
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ベーネミュンデ侯爵夫人の手がグラスに伸びたのを見た官僚風の男は慌てて言葉を注ぎ足した。
「アンネローゼ様・・・あ、いやいや、あの女については、徐々に陛下のご寵愛から遠ざかるように細工いたします。とかく噂というものは醜聞であるほど人の耳目を引きますからな。寵愛が薄くなったところに、決定的な証拠を突きつければ、自滅は必定です」
ここで、官僚風の男は一段と声を低め何やら策を話し始めた。この男、ゲオルク・フォン・ベルバッハは、少々気の弱そうな宮内省宮廷後宮課(後宮の管理や運営、侍女・侍従の人事用務等を行う部署である)に勤務する30代の男であるが、その外見とは裏腹に宮廷に広大なネットワークを広げ、情報操作等を手早くやってのける男である。
この男の父親が、もともとベーネミュンデ侯爵夫人に目を付け、さる貴族を通じて皇帝陛下に推挙奉ったのである。一時その羽振りは絶大なものであったが、その後アンネローゼの登場によりすっかり日の目を失ってしまった。憎悪に燃える父親であったが、老齢で体の動きが聞かず、やむなく息子であるベルバッハに指令を下したのだった。
父親とベーネミュンデ侯爵夫人にとっては、ベルバッハ自身がどう思っているかは、どうでもいいことなのである。
ベルバッハの策を聞き終わった一同の顔色が輝く。それは決して健全な明るさではなく、野心と憎悪とが渦巻くどす黒い炎のような色であった。もっともそれは3月だというのに冬のような寒さであるがゆえにたかれている暖炉の火と、締め切られた分厚いカーテンのせいなのかも知れなかったが。
「ならば、私はその膳立をすることとしようか?」
先ほどから黙って皆の話を聞いていた貴族風の男が口を出した。大柄な体つきをした茶色の髪の男は一見すると武人風に見える。帝国軍服を着ていれば間違いなく軍人と思われるだろう。エルマン・フォン・ゴッドホルン子爵は今年33歳、帝国軍准将として海賊討伐に当たったこともある武人であり、他方芸術においてはいくつもの戯曲を作曲、自らもピアノを弾き演奏会を催すなど文武両道の人として知られている。また、開明派のサロンに顔を出すなど柔軟な人として知られているが、ベーネミュンデ侯爵夫人とは幼いころからの付き合いだった。
彼女がシュザンナの名前だったころ、ゴッドホルン家とベーネミュンデ侯爵夫人の実家のマイントイフェル子爵家は元々遠縁の間柄で有り、仲睦まじく、家族ぐるみの付き合いがあった。たくさんのいとこ、はとこの中で、まだ人見知りをしていたシュザンナが気心を許した一番の相手が、エルマン「お兄様」であったのだ。
アンネローゼの事となると憎悪の念をたぎらせるベーネミュンデ侯爵夫人も、ゴッドホルン子爵が来た時には、かつてのような穏やかな様相に戻り、時には明るい笑い声を立てたりした。ベーネミュン
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