第19話 ミナリンスキーの想い
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大地くんはただ頷くだけ。一口コップに口を付けてからふぅっと息を漏らしてこっちを見つめる
「ことり、どんなに頑張ってもお前は穂乃果や海未にはなれないよ」
ズキン
大地くんは冷たく言い放った。それだけで胸が苦しくなる
『穂乃果や海未にはなれないよ』
大地くんがそんなこと言うなんて....
悲しくて涙が零れそうだった
「だってさ.....ことりはことりだろ?穂乃果でもなく海未でもなく、君は南ことりだろ?」
「え?」
悲しい顔をしていた私と対照的に大地くんは笑っていた
「なにを勘違いしてるんだか知らないけど、君は南ことり。おっとりで前に積極的に出てなにかするわけでもない、でも穂乃果や海未の2人を支えながら対抗心をメラメラ燃やしている女の子。それでいいじゃないか」
「た、対抗心?」
「そうだろ?2人に負けたくないから自分を変えるための手段を見つけた。ことりが自分自身の意思で何かを得ようと頑張っているならそれは立派なことだよ。胸をはっていいんだよ。」
2人に負けたくないから......大地くんの言葉は胸に染み込んできた。
そっか。私はついていってる訳じゃなかったんだ
一緒に歩んでいるんだ....
私は勇気づけられた
「ありがとう大地くん、私明日話すよ」
私は大地くんにぺこりとお辞儀をする
「そっか...がんばれよ。」
大地くんはにこりと微笑んでくれた。
「お邪魔しました」
用が済み、あたりも暗くなってきたので私はお暇することにした
と、キッチンからパタパタと歩いてきたのは大地くんのお母さんだった
「え..と南ことりちゃん?でいいのよね」
「は、はい」
「いつも大地が迷惑かけてるわね」
「いえいえそんな」
そんなことないです。むしろ私が大地くんに迷惑かけてますから
「もうこんな時間は1人で帰るなんて危ないわ。うちでご飯食べていきなさい?帰りはうちの大地を連れていっていいから」
「え!?で、でも...」
「ことりちゃんのお母さんにはもう連絡したから」
「え?な、なんで?」
「ふふっ、私とことりちゃんのお母さんは実は同期なの♪」
そうなんだ....でもお母さんはそんなこと言ってくれなかったな
あとで聞いてみようかな
「...じゃあお言葉に甘えて」
「うんうん♪そうしなさいな。大地ぃ〜!ちょっとお使い頼むわ!」
大地くんのお母さんは部屋にいる大地くんに声をかける
「あ〜?なに?お使い?わかったわかった」
すぐに大地くんは降りてきてまだ帰ってない私を見て驚く
「あれ?
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