第13話 条件と対立と
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絢瀬会長に連れられ、俺と海未は近場の公園にやってきた。ベンチに座ると、絢瀬会長は亜里沙ちゃんにお金を渡して自販機に向かわせた。
しばらくして亜里沙ちゃんは俺に『味噌汁』、海未に『おでん』と書かれた。缶を渡してきた。
あそこの自販機に何を売ってるんだ?と少々気になってしまった。
亜里沙ちゃんが何故これをチョイスしたのかも気になるけど
「亜里沙、これは飲み物じゃないわ。別の買ってきて頂戴」
「え?味噌汁とおでんは飲み物じゃない?ハラショー!わかった!」
『ハラショー』という普段聞き慣れない言葉を言ってまた自販機に向かった。
ハラショーって確かロシア語で意味は『すばらしい』だったかな?
「ごめんなさい、向こうの暮らしが長かったからまだ日本に慣れていないところがあって」
「向こう....といいますと、ロシア..ですか?」
「そうよ、祖母がロシア人なの」
一拍間が空いて海未が口を開く
「前から穂乃果達と話していたんです。誰が撮影してネットにアップしてくれたんだろうって。でも、生徒会長だったなんて...」
海未は敵であろう絢瀬会長に感謝している。今まで絢瀬会長に邪魔されていい気分ではなかったはずなのに、いざ蓋を開けてみると....
海未はすごく嬉しいのだろう。本当はわたし達のこと認めてくれたんだな...と
その絢瀬会長は何を思ったのだろうか。ずっと無表情で話を聞いている
「あの動画が無ければ、私達は今、こうしていなかったと思うんです。あれがあったから見てくれる人が増えたし....だから--「やめて」
海未の感謝の言葉に対して絢瀬会長の『やめて』の一言
その一言には恥ずかしさから来るものではないということは一目瞭然だった。
「別にあなたたちのためにやったわけじゃないから。」
「え?」
なに?
「むしろ逆。あなた達のダンスや歌がいかに人を惹きつけられないものか、活動を続けても意味が無いか知ってもらおうと思っただけ。」
なにを.....なにを言ってんだ?この人は...
「だから、今のこの状況は想定外。無くなるどころか人数が増えるなんて......でも、私は認めない」
絢瀬会長の、言葉には棘があるのいつものことだ。だからこそ、今の俺に頭に血を上らせるのには十分だった。
だめだ.....今ここで切れたってなんにも---
もう限界だった
「人に見せられるものになっているとは思えない、そんな状態で学校の名前を背負って活動して欲しくないの。これ以上は邪魔しないで。廃校は私達生徒会がなんとかするから。だから--「るせぇよ」
「え?」
「...だ、大地?」
立ち上がった絢瀬会長の背中に向けて
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