第23話
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いかけにエリィは微笑みながら頷き、静かな笑みを浮かべたティオの意見にロイドは苦笑しながら同意した。
―――マルコーニ会長―――
ルバーチェ商会の代表にしてマフィア組織を支配している人物。ルバーチェの会長としては5代目だが正式な代替わりをしたのではなく、8年ほど前、謀略と裏切りによって4代目を追い落として組織を掌握した。帝国系移民のためか、どちらかというと帝国派議員との関係を重視しており、特にハルトマン議長との繋がりは深い。一方、共和国方面のパイプも確保しており、その意味では、クロスベルという特異な地域で抜け目なく立ち回っているといえるだろう。なお、帝国貴族への憧れがあるらしく、悪趣味な成金趣味の服装・調度を好む模様。
「こりゃあ……なんつーか、印象的なオッサンだな。」
マルコーニ会長の写真を見たランディは意外そうな表情で呟き
「ユーモラスな外見ですけどやってる事はえげつないです。」
「それに、思っていた以上に柔軟で頭も切れるみたいね。帝国寄りなのに、共和国方面にもコネクションを持っているなんて………」
「相当、やっかいそうな相手だな………」
(まあ、レンが”その気になれば”潰そうと思ったらいつでも潰せる相手だけどね。)
ティオはジト目で呟き、エリィの意見に頷いたロイドは真剣な表情でマルコーニ会長の写真を睨み、レンは意味ありげな笑みを浮かべていた。
―――ガルシア・ロッシ―――
ルバーチェ商会の営業本部長にしてマフィア組織の若頭と目されている人物。猟兵団『西風の旅団』の部隊長だったが8年前、マルコーニが先代会長を追い落とす時に実行部隊として雇われた。その後、マルコーニに引き抜かれる形で猟兵団を抜けてルバーチェ商会に入社。マフィアの武装化、戦力強化に貢献した。猟兵時代は”キリングベア”と呼ばれ、その巨体を活かした軍用格闘術を持って数多の敵兵を屠ったと伝えられている。
「あの若頭の人………猟兵団の出身だったのね。」
(『西風の旅団』………フィーが所属している猟兵団か。)
「『西風の旅団』………どこかで聞いた事があるような。」
ガルシアの情報を見たエリィが驚き、ロイドは複雑そうな表情をし、ティオが考え込みながら呟いたその時
「………大陸西部において最強と謳われた猟兵団の一つだ。その部隊長をやってたって事は相当な戦闘力なのは間違いねぇな。”キリングベア”って名前も何度か耳にしたことがあるぜ。」
「そうか………確かに凄い迫力だったけど。でも、やっぱりランディ、そういうのは詳しいんだな?」
ランディが説明をし、それを聞いたロイドは意外そうな表情で尋ねた。
「はは………昔、噂で聞いたくらいだけどな。」
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