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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
外伝1 国別対抗戦予選リーグ編 1話
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っ、な……!?」

 力が入らなくなるほどの鈍痛が両足の自由を奪う。身体を起こそうと思い両手を地面に立てようとした。
 しかし、その前に両手を抑えられ締め上げられる。完全に身動きを封じられた。
 視界に映るのは見たことのない数人の女性。後ろから走ってきているのも含めれば10人いるかどうか。
 混乱する思考。少なくとも視界に映る女性達に対して鬼一は何らかの行為を働いた覚えは一切ない。故に、この理不尽にしか考えられない痛みに怒声を張り上げた。

「……何をしやがるっ! はな……ぎっ!」

 大声で相手の行動を咎めようとした瞬間、両腕の拘束が強くなり、頭を踏みつけられた。
 鈍い音を立てて右側頭部を打ち付けられる。混乱が強くなるが、痛みで怒りが加速。恐怖よりも先にこんな愚行をする連中に対して、全身を燃やそうとするほどの激情が感情を支配する。
 自由は封じられたがそれでも激情を押さえ込もうとせずに身じろぎを繰り返す。
 鬼一の頭を押さえつけていた足が無くなり、頭を上げようとした。

 瞬間、視界に火花が散り頭の中で鐘が鳴り響く。

「っ……あ……?」

 鬼一には何が起きたのか理解することすら許されなかった。
 1人の女に手に持っているのは金属バット。それが容赦なく鬼一の頭に振り下ろされたのだ。四肢を無力化されている鬼一には為す術もない。防御も出来ず、衝撃を逃すという技術もない以上、その全ての衝撃を頭に叩き込まれることになる。

 子供の頭部に対して一切の容赦のない一撃で鬼一は暗闇の底に抗うことすら出来ずに飲み込まれた。

―――――――――

 鬼一が眼を覚ましたのは時間に直して30分ほど後のことだ。
 思考が纏まらないほどの頭痛で何をされたのか分からない。霞がかった視界のせいかどこにいるのかさえもハッキリしない。動かない両手はガムテープで右と左の手首を固定されている。両足には特に何も動きを阻害するようなものはないが、先ほど受けた一撃のダメージで身動きはほとんど出来ない。左半身がヒンヤリと冷たく硬い板のようなものに触れているところから地面に転がっているのだと理解する。
 さっきの連中が何なのか、自分が今どこにいるのか、自分が何をされたのか、それさえもハッキリしないがとにかくにも今は時間を知りたかった。重要なのは自分の試合までの時間と自分が無事に出れるかどうかのその1点に尽きた。

「……ねえ、ちょっと。いくらなんでも頭をそれでぶん殴るなんてやりすぎ。万が一死んだらどうする気? 相手は子供なのよ」

「男なんだから別にいいでしょ。1人2人死んだところで誰も気づかないわ。どうせ今頃全員ゲーム見ているんだから」

「それより、あの女の夫と子供どうする? いくら監視もつけているからって、誰か来て見つけられた
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