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世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
外伝1 国別対抗戦予選リーグ編 1話
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ら来る怖いもの知らずなど大した盾にもならない。言葉に出来ないほどの独特の雰囲気があることをアヤネは熟知している。

 だが、目の前の少年が負けるとも思っていないが。

 目の前の鬼一は特にプレッシャーを感じていないように見える。気負いもせず、普段通りに見えた。普段通りというか、プロになってからのスタンダートの姿。

「どう? あの人に勝てそう? 最近復活してきただけあって動きもかなり仕上がってるように見えたよ。生半可な仕上がりじゃ届かないわね」

「勝算はあります。確かに手強い相手ですが少なくとも負けるとは思わないです」

 アヤネに視線を向けず、電灯掲示板を見据えたまま鬼一は呟く。その強気な発言を聞いてアヤネは苦笑を零す。随分とプロゲーマーらしくなったものだと。
 しかし、そんな昔の話でもないのに鬼一は随分と変わったようにアヤネは感じていた。感情、表情豊かな子供ではなく、機械的になってしまったこの少年に対して自分は今も無力なんだと痛感する。
 鬼一の両親が事故で亡くなったその日から、淡々とした必要最低限のことしか喋らなくなってしまった。まだ、立ち直れていないというのは間違いない。今見せている顔は鬼一の内面を隠すための仮面のようなもの。

 プレイヤーとしてのスタンスも大きく変化した。荒削りではあったが、どことなく人を惹きつけるプレイング、華やかなプレイが特徴であったが今は無情で慈悲なく、冷酷なまでに勝利に近づくプレイ。
 その変化が悪いとはアヤネは思わない。プロが何千といる以上、様々な方向で個性を発揮したり新しい個性に変化することは決して間違いではないだろう。

 それでもアヤネは少し寂しくなる。

「それよりもアヤネさん。Bリーグ1抜けおめでとうございます。代表内定は確定ですよね」

「そうね。現状、私と柿原さんが代表確定だと思うわ。残り5名がこの大会で決まる。なんとか残ってよ。柿原さんだっていつまで現役でいられるか分からないんだから。下手すればこれが最初で最後のチームプレイになるかもしれないわ」

「分かってます。あの人からはまだ教わりたいとがたくさん残ってますから」

 プロゲーマー以前から対戦していた日本最初のプロゲーマーからは、まだ吸収できることがある以上残ってくれなければ困ると鬼一は顔を顰める。
 鬼一のその感情のない言葉を聞いてアヤネは肩を竦めた。鬼一が口にした言葉の本来の意味を理解しているからだ。
 建前でこんなことを言っているが、実際の所は『まだ自分は勝っていないんだから、自分が勝つ前に引退するなよロートル』と言ったところだろうか。プロゲーマー以前にボコボコにされたことをまだ根に持っているのだろう。

「……ま、そういうところは変わっていないみたいだから大丈夫そうね」

 誰も
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