【ハリー・ポッター】編
150 生き残った女の子
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
7月31日。アニー・ポッターとして≠フ11回目の誕生日。奇しくも、その日が魔女アニー・ポッター≠ェ生まれた日にもなった。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「空き、見っけ」
元が日本人ゆえの時間前行動≠ェ幸いしたのか、空いているコンパートメントは直ぐに見つかった。
あの掘っ立て小屋からはスネイプ先生に付き添い姿現し≠ナ連れ出してもらい──ダイアゴン横町での買い物の際には、一部の界隈ではネタに事欠かないマルフォイに会ったりした。
……が、ハリー・ポッター≠ニ同じく、前髪で例の傷痕≠隠していた所為か、ボクが名前を呼んではいけない例のあの人から生き残った少女≠セと云う事にマルフォイは気付かなかったようで、大したアクションも無かった。
後、違いがあったとすれば──銀行へは、“賢者”行きこそしたがスネイプ先生が“賢者の石”を回収した様子はなかった。……ボクの前からスネイプ先生が消えたりとかはなかったので、ダンブルドアからの信頼がより篤いハグリッドが回収に行ったのだろう。
――コンコンコンコン
「はい」
10分か20分かは──正確な時間こそ定かではないが、コンパートメントに入り一息吐けた頃、控え目にノックされたので、ほぼ無意識に返事をしてしまう。
「……っ!」
ガラリ、と扉は開かれ──入室してきた赤毛の少年≠見て驚愕する。
「コンパートメントに空きが無かったんだ──うぉっ!?
「真人君っ!」
「……円…」
ドアが閉まりきる前に、入室してきた赤毛の少年≠ヨと飛び付いていた。特典≠烽って──その少年が真人君だと云うのは、見た瞬間に判った。
……真人君もまた、ボクが一 円≠ナある事に気付いているらしい。……ボクの名前を呼んだ時、語尾に疑問符は付いていなかった。その事から類推するに、疑問≠ニ云うよりかは確信≠セったのだろう。
前世よりも性別やら何やらの殆どが変わってしまっていると云うのに、真人君はボクが一 円≠セと云う事に一発で気付いてくれた。……その事実がボクの気分を舞い上がらせる。
(これから始まるんだ…)
それはきっと、【アニー・ポッター】の──もう既に知識通り≠ノいかない事が確定したどこぞの≪闇の帝王≫との戦い≠フゴングが鳴った瞬間だったのかもしれない。
(……やっと会えた…)
それでも、今だけはその喜びに身を委ねた。
SIDE END
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ