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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ハリー・ポッター】編
150 生き残った女の子
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7月31日。アニー・ポッターとして≠フ11回目の誕生日。奇しくも、その日が魔女アニー・ポッター≠ェ生まれた日にもなった。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「空き、見っけ」

元が日本人ゆえの時間前行動≠ェ幸いしたのか、空いているコンパートメントは直ぐに見つかった。

あの掘っ立て小屋からはスネイプ先生に付き添い姿現し≠ナ連れ出してもらい──ダイアゴン横町での買い物の際には、一部の界隈ではネタに事欠かないマルフォイに会ったりした。

……が、ハリー・ポッター≠ニ同じく、前髪で例の傷痕≠隠していた所為か、ボクが名前を呼んではいけない例のあの人から生き残った少女≠セと云う事にマルフォイは気付かなかったようで、大したアクションも無かった。

後、違いがあったとすれば──銀行(グリンゴッツ)へは、“賢者”行きこそしたがスネイプ先生が“賢者の石”を回収した様子はなかった。……ボクの前からスネイプ先生が消えたりとかはなかったので、ダンブルドアからの信頼がより(あつ)いハグリッドが回収に行ったのだろう。

――コンコンコンコン

「はい」

10分か20分かは──正確な時間こそ定かではないが、コンパートメントに入り一息吐()けた頃、控え目にノックされたので、ほぼ無意識に返事をしてしまう。

「……っ!」

ガラリ、と扉は開かれ──入室してきた赤毛の少年≠見て驚愕する。

「コンパートメントに空きが無かったんだ──うぉっ!?

「真人君っ!」

「……円…」

ドアが閉まりきる前に、入室してきた赤毛の少年≠ヨと飛び付いていた。特典≠烽って──その少年が真人君だと云うのは、見た瞬間に判った。

……真人君もまた、ボクが一 円≠ナある事に気付いているらしい。……ボクの名前を呼んだ時、語尾に疑問符は付いていなかった。その事から類推するに、疑問≠ニ云うよりかは確信≠セったのだろう。

前世(まえ)よりも性別やら何やらの殆どが変わってしまっていると云うのに、真人君はボクが一 円≠セと云う事に一発で気付いてくれた。……その事実がボクの気分を舞い上がらせる。

(これから始まるんだ…)

それはきっと、【アニー・ポッター】の──もう既に知識通り≠ノいかない事が確定したどこぞの≪闇の帝王≫との戦い≠フゴングが鳴った瞬間だったのかもしれない。

(……やっと会えた…)

それでも、今だけはその喜びに身を委ねた。

SIDE END
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