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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第二十六話 麻薬撲滅捜査を展開します。その2
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ハルト様」
珍しく色を成して他人を批評するラインハルトにキルヒアイスがたしなめたが、彼は聞かなかった。もっとも、今二人がいる場所には他に人がいないというのもあるのだが。
「問題は、罪を認めることではない。それは始まりに過ぎない。まして、死をもって償うなど、もってのほかだ。謝罪や贖罪は生きて行動で示すべきだと俺は思う」
「とにかく、わたくしたちも捜査を継続しましょう。少なくともこのイゼルローン要塞やその周辺からは、サイオキシン麻薬を根絶させたいものです」
「あぁ。一度に撲滅することは不可能だ。その点でケンプの言うことは正しい。だが、だからといってそのままにしておくのは筋違いだ」
「はい」
その時、ガラス越しに、メルデヴィッツ少将が立ち上がるのが見えた。彼はが幾人もの証言を聞かせ、さらにバーゼル少将の匿名口座、それに口座開設の中将自身の来店した画像などを突きつけると、観念したのか、がっくりとバーゼル少将が机に顔を伏せた。それを見たケンプがすばやく部下たちに指令して彼を連行していく。
「奴は一角にすぎん。俺の地位が向上し、周囲の地固めが終わったら、今度は徹底的に行ってやる」
ラインハルトが両拳を打ち合わせた。
某所――。
「ほう、カイザーリングの奴は、終始無言だったというわけか。いや、結構なことだ」
「バーゼルなどは我々にとって人形でしかない。いつでも切り捨てられるし、当人は自分が元締めだと思い込んで動いておる。まったく単純な男だ。ひとたび自身で運営できる施設を与えれば、どこから資金援助をしたか、どこからブツを与えたか、それをいい加減忘れてしまってくるものと見える」
「それとて我々が直接かかわっているわけではない。幾重にも壁を築いておるわ。彼奴の眼からは我らの姿はおろか、その存在すら感知できぬ。良いではないか、それでこそ今回の騒動、カイザーリング艦隊を切り捨てるだけで終わるのだ」
「全くそうであるな、イゼルローン要塞の憲兵隊もなかなかの手腕であったが、所詮はうわべだけの捜査よ」
暗い室内に哄笑が沸き起こった。
「だが、それにしても皇帝陛下自らが麻薬の撲滅捜査を命じられたとは、如何なることか?」
一転、不審そうな声がする。哄笑は不意にやんだ。
「・・・・・陛下自らのお考えか、誰かに使嗾されたのか。可能性はどちらもある。今上陛下に置かれては、本心を韜晦なさっているところがあるからな」
「如何にするか?」
「いや、まだ放っておこう。今暗殺し、余計な波浪を立てれば、その余波がこちらにまで来ないとも限らない。だが、仮にこれ以上我らの邪魔立てをされるようであれば、それなりに報復は受けていただく。その準備と探りは入れておくべきだ」
暗がりの中で、一同はうなずく気配がした
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