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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第二十六話 麻薬撲滅捜査を展開します。その2
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司までも圧倒するほどであった。フィオーナもティアナも、そしてラインハルトもキルヒアイスも、一目彼を見てただの貴族の子弟ではないと見抜いた。

 彼はケンプから報告を聞くと、素早く部下たちの派遣先を決定し、自らも指揮を執った。イゼルローン要塞以外にも捜査先はある。彼はイゼルローン要塞にいながら、これらすべての捜査先の中央指揮を執ったのである。当然カイザーリング艦隊の寄港先である補給基地も、イゼルローン要塞も撤退的に調べられ、麻薬所持で検挙されたのは、数千・・・いや、数万人にも達した。カイザーリング艦隊のみならず、イゼルローン要塞内部、そしていくつかの周辺基地にも麻薬所持者はいたのである。それらの者の自白から、いくつかの販売組織が摘発されたが、これらは末端に過ぎないとメルデヴィッツ、ケンプ、ラインハルトらは見ていた。


 そして、カイザーリング艦隊の要綱たるバーゼル少将に対する取り調べが極秘裏に行われていた。

「私は知らん。そんな麻薬等、下士官や兵たちが勝手にやっていることにすぎん」
「知らぬ存ぜぬではすまないだろう。現にカイザーリング艦隊の残存艦隊だけで数万人が麻薬を所持していた。それも知らぬというのなら、あなたの将官としての責任問題となる」

 ケンプが取り調べを行い、メルデヴィッツ少将が後ろに控えているが、バーゼル少将は一向に認める気配すらない。

「責任問題なら、統括しておるカイザーリング自身がかぶるべきだ。私は実務をやっていたにすぎん」
「だから、責任はないとおっしゃられるか?」
「そうだ」

 既に、ロイエンタールらの報告で、バーゼル少将が匿名口座をフェザーンに設けて、少将の給与よりもはるかに高額な金額をやりとりしていること、幾人もの佐官、下士官の証言でバーゼル少将が弾薬に仮装した麻薬運搬や売買の指揮を執っていた事等がすでに分かっていた。ケンプはそれらをにおわせたがバーゼルは一向に認めようともしない。ふてぶてしいバーゼルの答弁にガラス越しに見ていたラインハルトは怒りを見せていた。

「とんでもない奴だな!キルヒアイス。俺はいっそのことあいつを絞め殺してやりたくなる。汚らわしい!!」
「ええ、まったくです。それにしても、カイザーリング閣下は対照的でした」

 バーゼル中将の前に、取り調べを受けていたカイザーリングの姿を思い出しながら、キルヒアイスがいう。彼は終始抗弁もせず、淡々と事実を認め、潔く罪を謝したのである。もっとも、カイザーリング自身が麻薬売買に関与していたという事実は、ついに認められなかったのだが。

「潔く罪を認めたということか?俺は奴が自分の無能さを認めたというだけに過ぎないと思うがな。それに、認めたからと言って麻薬に深刻に侵された将兵、そして家族らを救うことはできないだろう」
「ライン
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